勿忘草に噛みついて

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ｰ本日は日中から気温が上がり、昨日に引き続き、猛暑日の予報です。水分をこまめに取り……ｰ

朝のテレビから聞こえてくるのは、連日の猛暑を伝えるアナウンサーの声。

まだまだ暑い日が続くのかと憂鬱になりつつ、朝ご飯を作っていると、
背後から伸びてきた白い腕に閉じ込められた。




「…おはよう、A」

『よしくん、おはよう。』


背中にぴったりくっついたまま、首筋にすり寄ってくるから
ちょっとだけくすぐったい。





でもさ、一つ言っておきたい。


……朝とはいえ、暑いんだ。くっつかれると。



がっちりと抱き着いている腕を軽く叩いても反応なし。

身を捩ると、腕の力が強くなった。



『ね、よしくん、暑いから離れて。』

「いやや。」

『ねぇ〜、ほんまにやめて。』

「いや！充電中やの！！」



…うん、素直に聞いてくれると思った私が馬鹿だった。

いやいやと駄々をこねるヨシくんは、私に触れていないと干からびてしまう…らしい。

私が抵抗するのに比例して、抱きしめる力がどんどん強くなることは既に学習済みなので
他の対処法を考える。


名付けて…"ひっつき虫禁止作戦"

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