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この愛は、異常?



『はじめまして。Aといいます。』



初めて会ったときから、君しかいないと思った。



『振られちゃったんだよねぇ。あはは…。』



アイツと別れたと聞いたとき、チャンスやって思った。

やから一番仲の良い男友達としてずっとずっと側にいた。



『よしくんは、私の呪いを、解いてくれる?』

「…もちろん。
世界一大切なAちゃんのお願いなら。」



でもな、Aちゃんは知らんくてええんよ。

ほんまは"すべて計画通り"なんて。




隣で眠る彼女の頬に触れる。

滑らかな白い肌が、やけに美しく見えた。

純粋無垢で、綺麗な、俺だけの愛しいひと。



「…やっと、手に入った。」



別れたときから、ずっと側にいた。

Aちゃんに近づこうとする馬鹿な奴等を牽制(害虫を駆除)せなあかんかったから。

何でも相談できる相手であろうとした。

俺がいなきゃ駄目になって(俺に溺れて)欲しかったから。



『おはよう、よしくん。』

「おはよう。今日もいい天気やなぁ。」



そうやって過ごしている内に、いつのまにか、俺へ向ける目の温度が変わったことに気がついた。

とろりとした目。

熱に浮かされているような。


…まるで、恋でもしているような。




『…あの人のこと、まだ忘れられないのに。
それなのに、よしくんにも惹かれているの。だめだよね。』



盗み聞きしてしまった会話。

勝手に聞いてごめん。
せやけど、どんなに嬉しかったかなんてAちゃんは想像できひんやろうね。



『…ん、よしく…。』

「ずるいよな、ほんまに。」



夢を見ているのか、俺の名前を呼ぶ彼女。
名前を呼ばれるだけで、胸がぎゅっと締め付けられた。


すやすやと寝息を立てるAちゃんの薬指にくっきりと残った噛み跡をそっとなぞる。

細い指に絡みついた赤色が、まるで指輪(呪い)のようだと思った。



「ふふ。」



月明かりに照らされた自分の顔が、心底嬉しそうに歪む。

たっぷりの時間をかけて、みどりの身も心もぜんぶ手に入れてみせるから。
どれも、ぜんぶ計画通り。



「…Aちゃん、俺のこと、許してな。」



眠る彼女の手をとって、その薬指に口づける。



これから先、一生、逃がしてなんかあげない。

俺みたいな奴に捕まっちゃうなんて、本当、可哀想なひと。

でも、世界でいちばん幸せにしてあげるからね。



「愛しとるよ。誰よりも。」



だから、早く堕ちてきて(俺を愛して)

博多弁のI LOVE YOU 🦋→←薬指の真実 🐯



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ルナ(プロフ) - 晄さん» そう言っていただけて、とてもとても嬉しいです💕ありがとうございます😊 (2月14日 19時) (レス) id: c916babbac (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いやもう大好きです...💎💙 (2月14日 2時) (レス) @page17 id: 6b3500ac41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルナ | 作成日時:2024年2月7日 20時

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