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柔らかで小さな彼女の手。
戸惑うそれを捕まえて、華奢な身体を包み込むように抱きしめて、キスを仕掛ける。
-『ジフナって首触るの好きだよね。』-
いつだったか、Aがそう尋ねて来たことを、ふと思い出した。
「(ここを圧迫すれば君の生死を握ることができるでしょう?)」
どんな瞬間のAも、閉じ込めてしまいたいと思う。
枯れない花のように、彼女を綺麗なまま手元に置きたいと、
いっそのこと閉じ込めてしまいたいと思うほどには彼女を盲目的に愛していた。
「(…でも、Aのこと大切にしたい。)」
閉じ込めたいと思う反面、この愛が異常な領域に達し始めていることも分かっている。
それ以上に、彼女を傷つけたくない気持ちが強いのも事実で。
この相反する2つの思いが自分の中で、常にせめぎ合っていた。
『あ。…じふな。』
深まる思考を振り切るかのように、愛しい唇を追いかけて口づけを落とす。
その途中、Aが俺を呼ぶ声が聞こえて、顔を上げると、とろりと溶けた目をした彼女と視線が交わって
柔らかく微笑んだ顔がやけに煽情的だなと、思った。
「なに。」
『ん、だいすき。』
カチャリ
引き金を引いたのは、このひとこと。
どこかでストッパーが外れたような音がして
気づけば、自分の手を白くて華奢な首に沿わせていた。
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ルナ(プロフ) - 晄さん» そう言っていただけて、とてもとても嬉しいです💕ありがとうございます😊 (2月14日 19時) (レス) id: c916babbac (このIDを非表示/違反報告)
晄(プロフ) - いやもう大好きです...💎💙 (2月14日 2時) (レス) @page17 id: 6b3500ac41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルナ | 作成日時:2024年2月7日 20時