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「A〜って…寝てるやん。」

久しぶりの休日。
一段落した作業を終えてリビングを覗くと、
うつらうつらと微睡む彼女。
どうやら洗濯物をたたむ途中のようで、周りには洗濯物の山ができていた。

どうやら連日の疲れが出ているようで
全く気づかない彼女のそばに近づいて、綺麗な顔を眺めてみる。


「(ほんま、きれーな顔してるよなぁ…。)」


伏せられた目も、その奥の瞳も、柔らかな唇も
全て愛おしてくてたまらない。


「A〜、大好きやで…。」


愛おしさからか、気づけば口をついて出た言葉。

その瞬間、Aのまつ毛が震えて、まぶたが上がる。


「…。(あ、起きた…。)」



優しげな瞳と視線が交わる…はずが、

そこにあったのは涙で濡れた瞳だった。


視線が交わった刹那

Aの顔がくしゃりとゆがむ。

白い肌の上を、大粒の雫がこぼれ落ちて行くのを見て、慌てて口を開いた。



「どないしたん…?そんな泣いて、悲しい顔しとる…。」

『朝光…?よかった…』



俺よりもずっと小さな手が、縋るように伸びてくる。

その手を咄嗟に捕まえて、Aの体ごと引き寄せた。



『朝光…。お願い、どこにも行かないで…』

「A、こっち見て、俺ここにおるよ。大丈夫やから。」


ぽろぽろと涙をこぼしながら、俺の名前を呼ぶAを腕の中に閉じ込めて、頭を撫でる。

どうやら悪い夢を見たらしい。

 

「…A、落ち着いた…?」

『夢を見たの…。そこに朝光がいなくて…。』



頭を撫でる。抱きしめる。

君への気持ちが、伝わりますようにと

願いを込めて。



「…A。」

『…ん?』

「離れへんよ。ずっとそばにいおるから安心しい。」




悪い夢なんて気にせんと、

ふわふわのブランケットにくるまってお昼寝しよか。

大丈夫、俺が守ってあげるから。

春‐夜 🐶→←春‐昼 🤖



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ルナ(プロフ) - 晄さん» そう言っていただけて、とてもとても嬉しいです💕ありがとうございます😊 (2月14日 19時) (レス) id: c916babbac (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いやもう大好きです...💎💙 (2月14日 2時) (レス) @page17 id: 6b3500ac41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルナ | 作成日時:2024年2月7日 20時

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