. ページ23
まんまるな月が光る深夜0時。
ベランダに出て、ぼーっと月を見上げていると、カラカラと引き戸が開く音がして、横に人の気配が。
隣を見ると、ベッドで寝ていたはずのジェヒョクがいて、まんまるな瞳と目が合った。
『どうした？寝れない？』
「…起きたら隣にいなかったから。」
『ああ、目が覚めちゃって。ごめんね。』
今日の月は、満月。
昔からの癖で、満月が浮かんでいると思わず眺めてしまう。
ふたりで月を見つめる静かな空間の中、彼が息を呑む音がした。
「…A。ちゅきが、綺麗ですね。」
鼓膜を震わせたのは、聞き馴染みのある言語で。
"つ" が "ちゅ"に聞こえなくもないが、まあ頑張ってくれてるのだろう。
でも、まさかそのフレーズをチョイスするとは。
『おお、急だね。』
「別にいいでしょ。返事は？」
『
「んふふ。」
大きな目を満足気に細めた彼に、ぎゅっと引き寄せられる。暖かい腕の中、柔らかな声に包まれて、そっと目を閉じた。
『誰に聞いたの？』
「サヒが言ってみなって。」
『たまには、いい仕事するなぁ。』
いつも余計な日本語しか教えない大阪人が珍しく、まともな日本語を教えたようだ。
今度、みかんでも贈ろうかな。甘酸っぱいやつ。
大きな手が優しく頭をすべり、柔らかいトーンの声が響いて、うとうとと眠気を誘う。
『
「
彼の質問には答えず、身体をひねって唇を塞いだ。
『まあ、"愛してる"ってこと？笑』
至近距離で彼を見つめて、もう一度口づけを落とす。
すぐに離れるつもりだったけど、彼の唇が追いかけてきて、あっという間に捕まった。
最初こそ軽く触れていた口づけは、角度を変え、長さを変え、次第に深くなっていく。
息ができなくなる一歩手前で、静かに唇が離れていった。
息を整える私の、口の端から垂れた唾液を拭いながら、彼は軽く笑う。
「ずるいね、ほんと。」
『好きでしょう？そういうところも。』
「好きって言葉じゃ足りないくらい愛してるけどね。」
あなたこそ、十分ずるいと思うけど。
私だって、あなたのこと
心の奥底から愛してるのよ。
『나도. 달이 너무 예쁘네요.』
「죽어도 괜찮네.」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 210人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルナ(プロフ) - 晄さん» そう言っていただけて、とてもとても嬉しいです💕ありがとうございます😊 (2月14日 19時) (
レス) id: c916babbac (このIDを非表示/違反報告)
晄(プロフ) - いやもう大好きです...💎💙 (2月14日 2時) (レス) @page17 id: 6b3500ac41 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルナ | 作成日時：2024年2月7日 20時
