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ほこほこと湯気を上げる焼き芋を腕に抱えて、
にこにこの笑顔を浮かべて玄関に立つこの人は
一応、私の彼氏である。(ちなみに最近オンマに見える。)
「A〜!!今日も可愛いねぇ。焼き芋買ってきたから一緒に食べよ。」
『はいはい、ありがとう。ほら上がって。』
彼はよく、私に可愛いと伝えてくる。最初こそ照れていたものの、息を吐くように連呼されるため流石に慣れてしまった。
紙袋からでてきたのは、大きな焼き芋がふたつ。
真ん中で割ると、綺麗な黄金色が姿を表した。湯気に乗って甘い匂いがふわんと広がる。
「美味しそうでしょ〜。おじちゃんがおまけして大きいやつ入れてくれた。」
『すご。』
大変、美味しそうだし、買ってきてくれたことはとても嬉しいのだが、今の季節は秋。
…つまり食欲の秋。
体重計に乗って軽く絶望したのは記憶に新しい。
だから、これ全部食べると、流石に…
『…太っちゃう。』
「Aの可愛いの面積が増えるってことだよ〜、大丈夫!」
『…おお、ありがとう。』
食い気味に返答するのを見るに、彼は私が太っても気にしないらしい。むしろ嬉しそう…?
まあ、今日くらいなら。
焼き芋ってお菓子よりヘルシーって言うし…?
謎に私は決意を固めて、ヒョンソクと並んで座って、焼き芋をひとくち。
『美味しい…。』
「でしょ?!」
ホクホクで甘いお芋に舌鼓を打ちながら、おしゃべりする。この時間が何気に好き。
幸せだ〜と実感していると、隣の彼が口を開いた。
「俺の持論だけどさ、好きな人と食べるご飯って幸せじゃん?」
『たしかにね。』
「だから、Aと食べるご飯は、世界で、いちばん美味しいんだよ。」
彼の言葉はいつも、まっすぐで
それに恥ずかしくなることもあるけど、
「美味しいもの見つけたら、一番はじめにAに教えてあげたいし、一緒に食べたいなぁって思うんだ。」
『じゃあ、これからも、一緒にご飯食べてくれる?』
「もちろんだよ。」
このまっすぐな言葉に、私も応えていけたら
彼も私といて幸せだって思ってくれたらいいなぁと
心の底でつぶやいた。
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ルナ(プロフ) - 晄さん» そう言っていただけて、とてもとても嬉しいです💕ありがとうございます😊 (2月14日 19時) (レス) id: c916babbac (このIDを非表示/違反報告)
晄(プロフ) - いやもう大好きです...💎💙 (2月14日 2時) (レス) @page17 id: 6b3500ac41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルナ | 作成日時:2024年2月7日 20時