たとえ、君が犬でも -起- 【JM】 (ページ7)

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NJ「おー！purple！良いね、俺も次その色しようかな」

ナムジュニヒョンは、鏡の前にメイク道具をセットしてる彼女に、親しげに近寄っていく。

ヒョン、警戒心なさすぎでしょ。

ちゃんと俺たちに興味がない人かどうか、見極めてからじゃないと、後が怖いって良く知ってるはずなのに。

そもそも俺が興味津々なのも、その、一目惚れとかじゃなくて、いや確かにめちゃ綺麗な人だけど、そうじゃなくて俺たちにいちスタッフとして接してくれるか確認したいだけで…

俺がごにょごにょ考えてたら、Aさんは背の高いナムジュニヒョンを見上げて、長い毛束を摘んで色の確認するみたいに、扇状に広げた。

わあ、器用だな。

『ずっと赤のカラーを試してたんですが、ちょうど色が落ちたので変えました。紫はBTSの色だし試すには良いかなって思ったんですけど、どうですか？』

そう言いながらナムジュニヒョンに自分から近付いて見せたその顔は、特に媚を感じることもなく。

俺は、このくらいキレイな人だと、マスクをしていても目元や顔の形から美女だってこと透視できるもんだな思った。

ナムジュニヒョンは彼女のヘアカラーをまるでアートを鑑賞するみたいな目をした後、少し微笑んで

NJ「良いね。Aさん、俺たちに馴染もうとしてくれてるんだ？」

NJ「そこに、下心はないよね？」

って、ずばっと聞くから、俺は思わずヒョンを凝視してしまった。