たとえ、君が犬でも -起- 【JM】 (ページ36)

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◇JM◇ ページ36

TH「ジミン、俺も、前世の人ってすごくかわいい人だと思うよ」

通しが終わった時に、仮設テントの中でテヒョンアが俺にそう言った。

俺は汗が顔に落ちてこないようにハンディファンを生え際にあてながら、今聞いたことをどう解釈していいか分からなくて

「…お前も好きになったってこと？」

って言ったら、馬鹿、とテヒョンは衣装が汚れないようにわざわざ靴を脱ぎ捨ててから、思い切り俺のもも裏を蹴ってきた。

「っだっあ…！おっお前…！！！これ痛いやつ…！めちゃ痛いとこ…！！」

TH「盲目過ぎ。嫉妬早すぎ。余裕なさすぎ。俺天然系は興味ないよ。て言うか今、恋愛自体興味ない。そうじゃなくて」

それから俺は、テヒョンが見たAさんが俺のセットに感激して大きな声出してたこととか、俺のことに興味持ったみたいとか、そんな話を聞かされた。

TH「…ジミナ、顔が赤い」

「…素晴らしい人って、どう言う意味だよ…」

TH「知らない。好印象なことは間違い無いんじゃない？」

そこはちゃんと聞いておけよ、とテヒョンの肩を叩きつつ、俺はちょっと、正直、浮かれた。

俺、彼女の目に良く映ったんだよね。

最高とか素晴らしいとか、俺のルックスのことだよね。

俺だって見た目から入ったんだから、Aさんもそのきっかけあるかもしれないよね。

俺をちゃんと、

認識してくれたってことで、

良いんだよね？

なんかもう、そこから？って思うと、ちょっと切ないけど。