たとえ、君が犬でも -起- 【JM】 (ページ35)

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◆ ページ35

私はテヒョンさんの顔を見て、口を開けて、

打ちのめされました。

そう答えようとしてやめる。

正直に伝えたら、今オンニに告げた感動を、無かったことにしていまいそうで。

どう伝えたらいいんだろう。

オンニのメイクは最高で、素晴らしく感動したけど。

メイクはただのきっかけで、

内面の魅力はそれを凌駕して、

より高いところに昇華されるんだって。

これ、どう言ったらいいのかな。

テヒョンさんはまっすぐに私を見て、言葉をためらう私を不思議そうに眺めている。

『…素晴らしい人だと思いました』

結局、どう考えても誤解を招きそうだったので、色々端折って言うと、テヒョンさんは、一瞬豆でもぶつけられたみたいな顔をして、ブフ、って吹き出した。

「俺、四次元って言葉の意味、初めて理解したかも」

…どう言う意味？

私の方が四次元の意味を理解しているところに、オンニが爆笑しながら

Y「天然同士の会話、ほんと見てて飽きないけどマジで時間ないから！Aはさっさと戻って！」

て言ってくれて、私はメドゥーサの呪いが解けたみたいに慌てて走って、持ち場に戻った。