◇ ページ30
そしたらテヒョンは眉をぎゅうっと寄せてから、唇をツンとして首を傾げて
TH「それ、もう好きでいいじゃん。ジミナ自分で気付いてないかもしれないけど、引くほど面食いだし、真面目で気の強そうな感じの女の子好きでしょ。Aさんジミナのど真ん中だって、みんなわかってると思うよ」
と言ったので、えっ、って目が丸くなった。
「…みんなわかってるの？」
TH「わかってないの、ジミナとグガくらいじゃない？」
普通に、衝撃の事実なんですけど。
TH「好きなら好きでいいんじゃない？俺たち「節度のある恋愛」は自由でしょ。何がおかしいの？」
「…それは、おかしくないね」
TH「おかしくないよ。どうしたの、今のジミナはなんか…Aさんを好きになりたく無かったのに、恋を始めちゃったみたいな…変な感じだね」
…テヒョンは、ほんとに。
思考と発言は天然なくせに俺やメンバーをちゃんと見てて、理解してて。
俺はさっきから問いかけられる言葉全部に胸を打たれまくっている。
恋は、いつでもしたい。
俺は誰かを好きでいたいタイプの人間だから、確かにみんなの言うように惚れっぽくて、良いなって思った子にはけっこう積極的にアプローチする方だ。
なのに、どうしてAさんには、こんなに構えてしまったんだろう。
最初から気になってた、
そしたら好きになってた、
なんてこんな簡単なこと、
どうして認められなかったんだろう。
実はもうずっと、頭に焼き付いたみたいに、彼女の燃えるような瞳がちらついている。
でもそのきれいな瞳は、
俺を、
映してないって思ったから？
「好きになってもらえないと思ったから」
ぽつりと意識せずにこぼれ落ちた言葉は、俺が彼女を好きだって自覚するには十分すぎるほどだった。
TH「それって、もう落ちてるじゃん」
恋に、って言うテヒョンの言葉に、俺はなんて返事をしたのか、覚えてない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 615人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フネ55
| 作成日時：2022年12月13日 11時
