◇ ページ25
ちょっとした映画の観覧後の盛り上がり方をしている二人に、俺は一歩後ろに下がる。
そしたら、どん、と背中が急に現れた壁に跳ね返された。
SJ「俺もちょっと前に聞いたよ。おばーさんの話」
って壁が開口一番そう言った。
「ジニヒョン」
俺たちの今の話題の100％がAさんのことって、ちょっとすごくない？
ジンヒョンは眉が寄ってしまった俺の頭をなぜかポンポンした後、ユンギヒョンが持っていたスナックをちょうだいと言って強奪して、バリバリ大きな口で食べながら
SJ「彼女の話、あれ多分ほんとじゃない？」
て言った。
SJ「だって彼女話しながらちょいちょい右上みてるんだもん。ユンギヤが教えてくれたんじゃん、俺に。空想する時左側見て、記憶は右側見んだって」
NJ「ヤア、よく気付きましたねヒョン。それも意識的な可能性もあるんじゃないですか？」
ナムジュニヒョンはぐ、ぐっと屈伸しながらそう言って、ジンヒョンは袋を持ち上げて菓子くずを口にトントンやった後
SJ「そんな感じじゃないよ。だって、最初にいたのはどこの国のホスピスなの？て聞いたら」
その時の彼女を思い出したのか、ジンヒョンは少し面白そうな顔をした。
「英語圏だった思うけど、犬だったから文字が読めなかったって。だから病院の名前はわからないから、最初の前世はどの国だったのか知らない、だってさ」
こっわ。
リアルすぎて、鳥肌たったよ。
なんでかユンギヒョンはそれ聞いて笑ってるし、ナムジュニヒョンは感心してるけど、俺だけなの？
彼女の話が嘘だと思ってるの、俺だけ？
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作者名：フネ55
| 作成日時：2022年12月13日 11時
