イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ3)

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夕日が綺麗に見えるから好きだって私が言ってた橋。

翔くんとも来たことある。

･･･良かった。当たってた。

『････智、』

姿を見た瞬間に、ボロボロと涙が溢れて止まらなくなった。

本当にいなくなったらどうしようかと思った。

もう二度と会えなかったらって。

私の体は自然と智の腕の中に納まっていた。

「翔くんとデートじゃなかったの？」

『智、』

「プロポーズするんだって張り切ってたよ？」

『智、智････！』

「A」

智の手が私の頭を優しく撫でる。

それでも涙は止まらなくて。

『智が「さようなら」とか言うから････っ』

「んはは！それで翔くん置いてきたの？」

ダメじゃん、と力強く抱きしめられる。

智の心臓の音が心地いい。

ばくばく言ってた心臓も、落ち着いてきたのかもう痛くなかった。

「････ねぇ」

『･･･なに？』

「今から本当のこと言うわ」

･･･本当のこと？

何？怖い。無理。

「実はね、」

『っ････』

「･････わざと、だよ」

『････え？』

智の言ってる意味が分からなくて思わず顔を上げた。

わざと？何が？

「翔くんとのデート中にメール送ったのも、「さようなら」なんて内容にしたのも、何なら････海外赴任なんて嘘ついたのも」

『････は？』

完全に思考が停止した。

･･･海外赴任が嘘だった？

え？だって、あんなに。･････ええ？

「厳密に言うと、海外じゃなくて営業部にって話だったんだけど･･･。まぁとにかく、海外赴任の話の後にあんなメール送ったら、Aが翔くんを捨ててでも俺のとこに来るの分かっててやった。

････怒る？軽蔑する？」

そう言う智の瞳は潤んでいた。

･･･確かに、海外赴任の話が嘘っていうのには傷付いたけど。

でも、それよりも喜びが大きくて。

智がどこにも行かないっていう安心感で胸がいっぱい。

首を横に振ると、「良かった」と嬉しそうに笑った。

「こんなこと間違ってるかもしれないけど、それでも俺は翔くんに渡したくなかった。････ごめん、本当にごめんな」

『ううん････智は悪くないよ。悪いのは、』

“「お前は俺と智くん、どっちが大事なんだよっ！！」”

“『＿＿＿＿＿＿＿＿智、だよ』”

智を選んで、翔くんの手を離した私だから。

『っ････う、ふぅっ････』

翔くん、翔くん。

あの時の悲しそうな顔は、きっと一生忘れられない。