イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ12)

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「･････それが何？」

『あの、こんなこと言っても信じてもらえないかもしれないけど････私、翔くんのこと飽きたとか嫌いとか絶対にないから。結婚の件も、結婚したくないわけじゃないっていうのは本当で･･･』

「それでもお前が智くんを選んだ事実は変わらないよ」

『そうだけど･･･！でも私、翔くんのこと、』

「じゃあ智くん捨てて俺の元に戻って来い」

初めて、翔くんと目が合った。

その瞳は決して冗談じゃなく本気だと感じられるくらい真っ直ぐで。

･････声が出なくて、何も答えられなかった。

それが、答え。

「･････できないくせに、俺のこと好きとか抜かしてんじゃねぇよ」

『･･････』

再び翔くんの視線は下に向けられた。

「まぁ、お前が智くんに依存してるって分かった時点でこうなるだろうとは思ってたし気にしなくていいよ」

『････私、』

「つーか忘れてねぇ？」

翔くんが、はぁっとため息を吐いた。

「お前のことは遊びだったって、潤から聞いてない？あれ嘘とかじゃなくて本気」

『！そ、そんなわけない！だって翔くんは、』

「お前のことなんて好きじゃなかったよ、最初から」

ボロボロと、心が崩れていく。

翔くんの瞳がゆらゆらと揺れる。

「智くんに嫉妬したとか、二年前から好きだったとか、ぜーんぶ真っ赤な嘘。男慣れしてないって分かったあの時に「ちょっと遊んでやろう」って思い付いたから手出しただけ。楽しかったろ？この一年。演技とはいえ良い彼氏ができて良かったな」

出そうになった涙をぐっと堪える。

悲しいよ。胸が痛いよ。

翔くんがそんな嘘をつくことが。

自分を殺してることが。

付き合ってた私だからこそ分かる。

あれは演技じゃない。

本当のことなら、目を合わせて言うはずだから。

『じゃあどうして、あの時引き止めたの？』

「は？」

『「俺と智くん、どっちが大事なんだ」って言ってたじゃん。遊びならあそこまでする必要なかったんじゃないの･･･？』

「･････」

『それに松本くんが言ってたよ。「本気で惚れた女に対して、「遊びだった」って言う翔くんのつらさが想像できる？」って』

「え、」

『「最後まで、あんたが罪悪感持たないようにって最低な男を演じる翔くんの胸がどれだけ痛いか、あんたに想像できんのかよ」とも』

まさか松本くんがそう言うとは思っていなかったのか、

翔くんは苦い顔をしていた。