イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ46)

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というか未だにそんな勘違いをしてる人がいるとは。

もうベッタベタくっついてないはずなんだけど･･･。

『何を勘違いしてるのか知らないけど、私と智は付き合ってないよ』

「でも、いっつも一緒に行動してるじゃないですか」

『それは幼馴染だからであって････』

「そうじゃなくても、大野先輩は大沢先輩のこと好きですよ！絶対そうです！」

本当、埒が明かない。

っていうか別に、智がいようがいまいが君を好きになることはないけどね。

『智は私のこと好きじゃないから。憶測でそういうこと言っちゃダメだよ？』

「憶測じゃないですよ。先輩可愛いんですから、好きにならない男なんていないです。現に僕もそうですし！」

『････････』

ごめん。全然嬉しくない。

ビックリしたよ。人って意外と好きでもない男の子にそういうこと言われても
全然嬉しくならないんだね。

････って、そうじゃない。

この際ちゃんと言わないと。

『･･･････あのね』

手元の資料を後輩の手に握らせる。

『君が私を慕ってくれてることは嬉しいし、それを蔑ろにするのは良くないと思う。だけど限度っていうものがある。･･････君は頭がいいから、全部言わなくても分かるよね？』

「････････はい」

相変わらず隠そうともしない膨れっ面に苛立つけど、

それでも引いてくれただけマシかな。

ありがとう、と小声で言って笑った智は、そのまま仕事に戻った。

席に着くと、二宮くんが呆れたように後輩へと視線を移した。

「よくもまぁ、毎日毎日やってられますよねぇ」

『本当、ストレス溜まってくる･･･』

「付き合おうとか思わないの？」

『思うわけないじゃん』

「翔さんのこと忘れられないから？」

二宮くんの問いに、私は口を噤んだ。

「･････長いね。翔さんが結婚してからもう四か月経つっていうのに」

『･･････“櫻井くん”は関係ないよ』

「････そう」

まだ完全に忘れられたわけじゃないけど、もう追いかけようとするのは止めた。

翔くんが彼女を愛してるなら仕方ないもん。
私が入る隙間なんてどこにもない。

まぁ･･･だからって、他の人と付き合うのも無理だけどさ。

「いい加減、強がるの止めたらいいのに」

『････････』

そんな言葉も、聞こえない振りをした。