イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ40)

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『えーっと、何でデートに誘われたの？私････』

あまりにもオシャレなカフェに戸惑いながら問う。

肝心の松本くんは、というと。

さっきのイケメンスマイルはどこへ行ったのか、いつもの
鋭い表情に戻っている。

「え？あんた、デートのつもりで来たの？」

『違うの！？』

いやだって、松本くんがデートって言ったんじゃん！

と、私の言いたいことが分かったのか呆れた顔をした。

「あんなの、翔くんを動揺させるために決まってんじゃん。考えたら分かるだろ」

『何で最近みんな冷たいのかなぁ！？』

「自分のやったこと振り返れ」

『はい････』

松本くん、本当に年下？後輩？

先輩の私が後輩に敬語ってどうなのよ。

まぁ松本くんだからいいけど！

「んで、本題に入るけど」

優雅にコーヒーを啜り、口を開く。

「佐倉も俺も、あんたと翔さんには復縁してほしいわけよ」

『復縁！？いや、それは････』

「無理だと思ってるだろ？」

松本くんの問いに頷く。

あんなことしておいて復縁って････できるわけがない。

そもそも、復縁したいなんて私に思う資格ない。

智を選んだことを後悔することになるから。

「１年前からずっとそうだけどさぁ･･･何であんたはそうやって自分の気持ち殺すわけ？」

『････別に、殺してなんか･･････』

「翔くんのこと忘れられないんだろ？まだ好きなんだろ？なのに何でそれを無いことにしようとしてんの？」

『････』

「そんなに大野さんが大事？苦しい思いしてまで傍にいる必要って何？」

『違う』

松本くんは不思議そうに私の目を見つめた。

つぶらな瞳は私の心の中を見抜いてる気がして。

『智といるのは苦じゃないよ。一緒にいたいからいる、ただそれだけ』

「じゃあ翔くんが他の女と付き合ってもなんとも思わねぇの？嫌だろ？嫌ならさっさと気持ち伝えて、元通りになれよ」

『･･･････でも、そうしたら智が････』

「････････あんたさぁ！」

ガンッ、とコーヒーカップが乱暴に置かれる。

そのせいで、店内の客の視線のほとんどがこっちを向いた。

だけど松本くんは気に留めず不機嫌な表情で言葉を続けた。

「いっつもそうやって「智が～」「智が～」って･･･大野さん基準でしか物事考えられねぇの？」

『いやそうじゃなくて、』

「そうだろ！あんたが大野さんのこと忘れて、ちゃんと判断したことってあんのかよ！」

『･････ある、よ････』