〜１７０〜 ページ26
「ただいま〜」
気の抜けた声に、後輩二人が唇を尖らせながら振り返った。
「ちょっと！二人ともどこ行ってたの！」
「え？沖縄。言ってなかったっけ？」
「聞いてないよっ！二日前に課長から「大野と大沢は二日だけ休むそうだ」って聞いて初めて知ったんだから！っていうか沖縄！？羨ましい！」
俺も連れて行ってよ！と頬を膨らませる相葉くん。
可愛さは健在してるようだ。
対して二宮くんはじとーっと私たちを交互に見ている。
「二人の分、俺達でカバーしたんですからね？感謝してくださいよ？」
『ありがとう。今度奢るから････ね？』
「奢ればいいと思ってない？」
『そんなことないって！』
「っていうかニノ、ほとんど新人の子に任せてたじゃん」
相葉くんの指摘に、二宮くんは黙って作業を再開させた。
「本当のことだからって無視！？」
「うるさいよ、相バカ」
「相バカ！？」
変わらない二人。
変わらない光景。
変わらない日常。
ただ、
「････？二人とも、沖縄で何かありました？」
『え？何で？』
「いや、なんか･････」
ただ一つ、変わったのは。
「いつもより、距離あるなぁって」
私と智の距離。
それだけだった。
「そうだよねぇ。いつもなら暑くないの？ってくらいくっついてるのに」
「喧嘩したってわけでもなさそうだし･･･何かあったの？」
「･･････いつも通りだよ。なぁ？」
『うん、いつも通り』
と、いうよりは。
『これが私と“智”の距離だよ。ねー？』
「そうそう」
「ふぅん････」
不思議そうな顔をしながらも二宮くんは再びパソコンと向き合った。
相葉くんもそれにつられて座り直した。
そう、これが本来の距離。
あれは薫ちゃんの距離だから。
何もおかしくないんだ。
自分に納得させながらデスクへと向かうと
「っ、すみません！！」
人事部の扉が勢いよく開かれた。
そこにいたのは。
「大沢さんいらっしゃいますか！？」
『な、何で････？』
「･･････いた」
松本くん。
「あんたに忠告しに来た」
『忠告･･･？』
「明後日、社長室に呼ばれるだろうから絶対に休むなよ。あと、万が一のために録音しとけ」
『え？あの、え！？』
急すぎて意味が分からない。
社長室に呼ばれる？何で！？
何もしてないのに！
『あの、誰が私を呼ぶの？社長････？』
「馬鹿！社長令嬢だよ！！」
『･･････え？』
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nao(プロフ) - 主人公も智君も最低ですね。翔くんと別れてほしいです。 (2020年3月31日 12時) (
レス) id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2020年3月30日 22時
