イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ16)

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強い日照りが刺さる。

隣で楽しそうにしている幼馴染はそれ以上黒くなるつもりなんだろうか。

絶対に止めといたほうがいいと思うけど。

「いやぁ、いいね、沖縄！」

『小学生じゃないんだから落ち着いて』

日焼け止めクリームを塗ってきてよかったと思うくらい日差しが強い。
あとえげつないくらい熱い。

だけど智は無邪気な子供のようにはしゃいでいる。

サングラスめちゃくちゃ似合うな････。

「んじゃ泳ぎに行こ」

『え！？』

「？もしかして水着ない？持ってきてって言ったはずだけど」

『いやそれはちゃんと持ってきたけどさ･･･。まずは店回ろうよ』

「ん～･･･いや、俺は泳ぎたい」

『ええ？』

すっかり泳ぐ気になってるのか、水着を持って更衣室へと向かった。

････智にしては珍しいな。

いつもなら私のやりたいこと優先してくれるのに。

まぁ智も我が儘くらい言うだろうけど･･･。

でもそれにしては私の意見も汲まずにっていうのは本当に珍しい。

･･････気にしすぎかな。

私は水着を抱えて女子更衣室へ走って行った。

.

「遅いよ、A」

『ごめんごめん。思ったよりぴちぴちで･･･』

「胸無いんだから平気でしょ」

『セクハラだし失礼！！』

翔くんみたいなこと言って！

･･･････そういえば去年の夏、翔くんと海に行った時同じようなこと言われたっけ。

私の水着姿を見て「本当に胸無いな、お前」って一言。

でもそのすぐ後に、「でも可愛いよ」って。

『････、』

あ、ダメだ。涙出そう。

本当に女々しいな私。

「･･･････さっさと行くよ」

『えっ、待っ、』

「Aの長所はその顔なんだから、そんな暗い顔してたら勿体ないだろ」

『智････』

「ほら、走れって」

やっぱりおかしい。

智ってそんな言い方するっけ？

いつもなら、「ほら、早く行こう？」とか

「そんな暗い顔してたら可愛い顔が台無しになっちゃうよ。笑って？」とか

自惚れとかじゃなく、智は優しくそう言ってくれる。

命令形で話すことなんて絶対になかった。
しかも表情もいつもよりずっと男らしい。

『智？』

「ん？何？」

『えっと･･･何かあったの？』

「？何で？」

『だって、いつもと違うから････』

すると智は一瞬目を見開いて

「＿＿＿＿＿＿＿＿＿俺は、いつも通りだよ」

見たこともないような、冷めた笑みでそう言った。