◇ ページ10
ユンギは一言も口挟まずに聞いた後、ふうん？って鼻を鳴らして首を傾げる。
YG「事件性ってなんだろ…それ以外は問題ない感じですけど」
「やっぱり？だよねえ。でも全然わからないし、ただあの感じだと…襲われたとかそういうとこだと思うんだけど」
YG「ヒョンは、それでいいの」
「ん？何が」
うーん、って腕組してたら、ユンギが下から覗き込んできた。
表情の読めない顔で、俺のことまるっと観察対象の目で見てるユンギ。
時々そういう顔するけど、ユンギは俺を、テヒョンと同じくらい宇宙人だと思ってるんだろうなって、気付いてるよ。ヒョンは。
YG「知らない男にむちゃくちゃされたかもしれない傷物の女の子、抱えるつもりあるんです？」
宇宙人に向かって、地球の言葉でなんて酷いこと言うんだろう、この地球人。
「ヤァ、ユンギヤほんと、俺に対して辛辣すぎん？てか…たとえそうだったとしても、何か問題、あるのかな？」
ユンギは目を逸らさずに、俺が何を言うのか真っ直ぐ見てる。
だから俺も、その視線を受け止めたまま、思ったことをそのまま口に出した。
「傷物の女の子も、汚れた女の子も、そういうの全く知らない女の子も、恋をしたら皆同じ女の子じゃない？」
「たとえばアミも」
「どんな背景抱えて俺たちの前に立ってるか、一切知らないけど。顔見たら可愛いし、顔と体と、存在全部で大好きって言ってんじゃん」
「ただの、俺に恋してる可愛い女の子だよ」
ぱちぱちと、三角の目がまばたきをして、俺をのぞき込むのをやめた。
単純に腰が疲れただけかも知んないけど、俺の隣でソファの背もたれにどっかり背中預けて、両手でがしがし顔を撫でた。
YG「…ジンヒョンの、そういうとこ。尊敬します」
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年5月17日 13時
