理想と真逆の人 2 【JN】 (ページ1)

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◆You◆ ページ1

あわわわわ、って背中に汗かいてたら、ジンさんが私が手を捕まえてるまま、濡らしたとことんとん拭いてくから、なんかそういうパントマイムみたいになって。

客観したら、ものすごく馬鹿みたいで、思わずぷっと笑っちゃった。

SJ「ヤア、やっと笑った」

ホッとしたような声で、私の手にふきん握らせて、テーブル挟んで向かい合った正面の椅子に座り直したジンさんを、やっとまっすぐに見れて。

ふっと自然に緩んだ口元のまま、

『ジンさん、スープすっごく美味しい。ありがとう』

って伝えたら、ジンさんがきょとんって目を丸くした。

SJ「今それ言うタイミングだった？…てか、Aって、なんかうっすら思ってたけど…ちょっと、不思議系の子だね？」

『不思議系？』

初めて言われた言葉に、思わず眉を顰めてしまう。

『そんなの、初めて言われましたけど』

SJ「ふうん？まあ、そんなら俺にだけ不思議なのかな？」

『…そんなの、よそと比べられないこと言われましても』

ジンさんは自分の席に戻って、またもぐもぐ食べながら指折り数えるみたいに箸で私の不思議を列挙していく。

SJ「俺に触られたくない感じだったのに、酔っ払った途端に距離ゼロにして、俺に迫るし」

『ゴホッ』

SJ「大丈夫？ああ、ふきんあるから？OK。なのになんか酔が覚めた途端に俺嫌がったでしょ？結構傷付いたよアレは」

『ゲッホゲホ』

SJ「ほんと大丈夫？変なとこ入ったの？あとベッドがデカすぎるよね。部屋数も多すぎる。怖くて他の部屋開けたりしてない(嘘)けど。ねえ、ほんとに未婚？誰かとこの家住んだりしてない？この後いきなり誰か登場、とかされても俺、何の言い訳もできないくらいお前と色んなことシちゃったんだけど」

咳、止まったけどふきんが顔からどかせられない。

うん、思い出してます。

実は、全部。