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ひっそり伸ばした“リボン”で視線の鬱陶しいカラスの首を“落とし”、堂々と正面から美術館に入った。繋がる電線は全て“切って”ある、監視カメラやセンサーは全てただの飾りだ。
迷いなく足を進めることしばらく、止まったのは透かし模様のジュエリーケース。僅かに射し込む月光にさえ光る様子は美しく 美術品と呼ぶに相応しい。
それを囲むガラスケースの上部を切り裂いてジュエリーケースを取り出した。
近くで見たり月光に透かしたり、存分に眺めてさぁ帰ろうとした時だった。
｢それ、私にくださいな。前から楽しみにしていたんですよ｣
｢…狙ってる同業者ってのはお前のことか？｣
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