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｢困ったことになりましたね｣


借宿にて、ふとそう言ったシオンにクロロは本から顔を上げた。


緊急性は低くトラブルと言うほどではないが、予想外のことが起こった。彼女の声からそう判断して再び文字列を追う。


｢何があった？｣


｢金庫に競売品がひとつも入っていなかったんです。場所を動かしたにせよ、あの多くの品を数時間で運ぶのは不可能かと｣


｢能力者絡みか。オークションがある以上よそには持っていかないだろう、帰り次第作戦会議といこうか｣


｢わかりました、お兄様｣

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作者名：クヴァール x他1人 | 作者ホームページ：なし  
作成日時：2023年12月25日 19時

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