紫苑が咲く頃に【H×H】 (ページ35)

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もし奴の狙いが自分たちと同じ競売品だったら？厄介なことは間違いない。

オークションの客の始末は完了した。残るは競売品だ。

「ささと奪て戻るよ、応援の相手は面倒ね」

もぬけの殻になった会場を出て、競売品が保管されている金庫の元へ。そこには別行動中だったシャルナークたちの姿があった。

「こりゃ厄介だな。競売品が一つもないや」

「オークションは今日からだろ？事前に俺たちのことがバレてたってのか？」

「それはないね。警備のために場所を動かしたのか…人間一人や二人じゃ持ち出せそうにない量なのに」

「団長に報告する？」

「いや、こいつが見てるならシオンが把握してるよ。ひとまず退散して作戦練り直しだ」

こいつ、と指差したのは肩に止まるカラス。

視覚の共有が出来るのならわざわざ報告しなくて済む、今はさっさと退散だ。