紫苑が咲く頃に【H×H】 (ページ23)

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クロロが絡むと途端にチョロくなるんだから、とシャルナークは内心思った。

それはフィンクスたちも同じようで、思わず吹き出しかけた彼の脇腹をフェイタンの容赦ない肘打ちが襲った。

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そして来たる8月最後の日。ヨークシンシティの都心から離れた廃墟街の一棟、ところどころガラスは割れてしまっているが借宿として使うには問題なさそうだ。

「全員集まるのは夜になる。それまでは好きにしてていい」

「あら、よろしいんですか？」

じゃあ行ってきます、と早速外へ出た。

見上げればカラスが数羽、群を成して飛んでいる。ここでも己の手足の確保にはありつけそうだ。流星街だろうと、都会のヨークシンだろうと、彼らは必ずいる。

試しに腕を伸ばせばこちらに気づいたカラスが手の甲に舞い降りてきた。

「少しの間のお手伝いをお願いします。お兄様の役に立ちたいので」