紫苑が咲く頃に【H×H】 (ページ21)

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あの〝ドール〟が邪魔しなければいいけれど。

「もう現存する〝緋の目〟は36対しか無いようなので、全世界からコレクターたちが参加するでしょうね」

どうしても欲しい。あの美しい緋色が。

眼窩に収まる眼球ももちろん美しかったが、ホルマリンの中で漂うようになっても美しさは健在である。

「こりゃ一番デカい仕事になりそうだな」

「また懸賞金上がっちゃうかもね」

どうでもいいけど、と携帯を操作しながらシャルナークが呟いた。

来たる8/31の夜、暇な奴改め全員ヨークシンに集合すること。メールも送ったことだし、あとは待つだけである。

「全員てことはアイツも来るのか」

「えぇ、非常に不本意ですけど。あの4番」

数年前、交代で入ったある男。にやにやと薄ら笑いを浮かべて、クロロを見る視線がうざったくて気に入らない。