紫苑が咲く頃に【H×H】 (ページ11)

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「ガキ相手に本気は出さない性分だ…大人しく返してくれ」

「嫌と言ったら？」

「頑固で困るな、お嬢。アンタのペットみてぇに腕を切り落としてでも手に入れるさ」

「…あぁ、そのリボンにやられてしまったわけですか。ちょうど死角からだったようで見えませんでした」

腕を切り落とされるのは勘弁だ。

渋々、本当に渋々といった様子で彼女はジュエリーケースから手を離す。途端リボンによってジュエリーケースは再び手中に収まる。

「…おい、いいのかよ」

「だって私の能力じゃ勝てないですもの」

「こんな時団長がいればな」

「あら、そろそろおいでになるはずですよ。私ただの時間稼ぎですから」