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現在進行形で私に抱き着いてるコイツ…祐樹は小学校、中学校、そして高校までも一緒だ。
幼なじみは蛍だから、いうならば腐れ縁と言った方がしっくりくる。
出会いは小5、同クラだったが大して仲良くもなかった。
それが体育のバスケの授業のとき変わった。
クラスに1人はいるお調子者がふざけて野球のフォームの様な形でキャッチボールをしていた。
危ねぇーな、と思いつつも注意するような立場でもないし目立ちたくもないから放っておいて、いつも一緒にいる女の子達とシュート練をしていた。
適度に手を抜きつつ、真面目に、平凡に。
…するつもりだったのに、訳のわからない雄叫びをあげキャッチボールしていた方から焦った声が聞こえた。
チラリと見ると、私の2メートル先にぼーっと話をしてる男子達にダイレクトに当たる軌道だった。
普段なら無視だったが、そのときは少し情が動いた。
足からダッっと踏み込む、そんで2メートルの間を詰め、彼らをかばうようにしてなおかつ誰もいないところへボールを弾く。
-スパァァァン-
「怪我、無ぇか?」
これが私とコイツの出会い。
それから2つ変わったことがある。
1つは無駄に女の子にモテるようになったこと。
もう1つは…
白「なーに?またぼーっとしちゃってどーしたの?もしかして見惚れちゃった?そうなの?」
無駄にコイツが絡むようになったこと。
そのせいでコイツが好きな女の子には恨まれちゃうからほんと少しは気を使ってほしい。
それからというものほとんど離れず着いてくるようになって、委員会、係、中学校、部活までも合わせてきやがった。
自然体でいられるから嫌では無いのだが。
嫌ならとっくに突き放してるし。
月「(ジト目)」
あ、これ完全に勘違いされたやつだ。
彼氏じゃないから、そういうの興味無いから、ほんと違うからさ、ね。
必死に目線を送るが理解されてないようだ。
あらら…さっきの山口?とかいう子とスタスタ体育館に行ってしまった。
あとでLINE送ろう。
白「ねえ無視しないで白銀さん泣いちゃう」
ごめん、完全に忘れてた。
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作者名:sk.y | 作成日時:2015年1月10日 18時