【9】side.S ページ9
夢を見た。
智くんが暴走する夢。
一番、望んではいけない結末。
隣には澄ました顔をして眠る智くん。
夢を想像する度、体が震える。
智くんを壊したら、きっと、夢のような展開になるんだろうか？
既に狂い始めている智くんが本当の意味で壊れてしまったら、俺に仕事をさせず、智くんの家に監 禁されてしまうのだろうか？
「翔？」
「智…くん。」
「…震えてる。どうしたの？怖い夢でも見たのかい？」
本人を目の前にして、壮絶な夢の内容を正直に言える訳が無い。
俺が不安な時は必ずと言っていいくらい、俺を「翔」と呼び捨てにする。
そう呼ばれる度、ドキドキするというか、心臓を鷲掴みにされている感覚に陥りそうになる。
でも、智くんに嘘はつけないのが、俺の悪い所っていうか、智くんが全てを見透かすような目で俺を見るから、無理なんだ。
「…わざわざ…起こして…ごめん。」
「そんなの良いんだよ。翔の為なら、俺は何だって出来るんだから。んふふ、少しは俺を頼って？俺は翔の唯一無二の恋人なんだからさ。」
俺の背中を優しく撫りながら、もう一度、寝ようと促すのだ。
「俺の唯一無二の恋人」というワードは智くんのお気に入りのようだ。
智くんは何で、そこまで、度を超えて俺を愛してくれるのだろう？
手錠で動けない状態にされたり、約束を破るとお仕置きみたいな事をされる。
これは「恋人」なの？
恋人がする事なの？
「智くん…ありがと。」
俺はそれしか言えないんだ。
口が塞がれていると思うぐらい、智くんの核心に迫るような事を言おうとしても言えない。
きっと、俺は智くんという存在に精神的に支配されている。
「翔、寝よ？」
「…うん。」
ああ、智くんに言われるがまま、俺は再び瞼を閉じるんだ。
でも、寝れないよ。
智くん、寝れないよ。
智くん、分からないよ。
俺らは正しいの？
恋人と言える関係性なの？
『その様子だと……翔くん、相葉ちゃんと別れたんだね。別れるのって辛いよね。俺なら、翔くんを悲しませたりしないのに…。翔くんを一生、大切にして守ってあげるのに…。』
ぽっかりと空いた心の隙間を埋めるように智くんは俺を包み込んでくれた。
その温かさに惹かれ、智くんの優しさを身を以て知る度に「好き」という気持ちが高まっていたあの頃は全てが上手く行っていた。
なのに今は…。
智くんは俺の所為で、あの頃とは見違える程、変わってしまったんだ。
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山風無限(プロフ) - 白恋悠宇さん» 一応、もう一度、コメントを返させて頂きます。ありがとうございます。なるべく、早く続きを書くつもりなんですが、忠実に再現したり、嵐さんのメンバーの設定とかもあるので、月一かニ位のペースになりますが、宜しくお願いします。 (2016年5月27日 0時) (
レス) id: 2ea08a95cc (このIDを非表示/違反報告)
白恋悠宇 - 続き期待してます！ (2015年3月1日 17時) (レス) id: dd0cd03f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山風無限
x他1人 | 作成日時：2015年3月1日 17時
