【36】side.O ページ36
追いかけないと！
キミを独りにさせたら、
危険だ。
キミが向かった先は屋上だった。
「翔くん！！」
「来ないでよ、いっそのこと、ボクは消えたい。サトシクンやマサキの恋の…鎖に縛られるのが嫌なくせに、独りになるのがもっと嫌で、捨てられたくないから、我慢して…それが愛なの？」
「…翔くん。」
「それなのに……最終的に必要とされているのはショウの方で、ボクは誰からも愛されない。そんなの吐きそうで気が狂うよ。」
「死ぬつもり？」
「ボクはずっとショウの中に居た。でも、マサキに別れを告げられた時から、色濃くなって、出て来れるようになった。ショウがショウを放棄して、隙が生まれて、ボクが出てボクなりに振舞った。最初は純粋にショウを守るつもりだった。でも、ショウが身勝手すぎて、次第に嫌いになった。後はサトシクンやマサキの想像通りの展開だよ。」
翔くんは笑みを浮かべて、空を見上げた。
雲が多い淀んだ空は翔くんの心と俺の心を表しているような気がした。
「……ショウを超えられると思った。でも、現実は違った。ボクとショウは似てない。思考も行動も…ボクはサトシクンが好きなのに、愛しているのに、報われない。ショウは束縛の激しいサトシクンを苦手と思っているのに、サトシクンはそんなショウを愛していて、都合が良いのはボクなのに…っ、なのにっ！！」
「もうやめてくれっ！！」
聞いていられなくて、抱きしめた。
もう、無理しないでくれ。
何処にも行かないでくれ。
俺はどんな翔でも愛すから。
俺の前から居なくならないでくれ。
翔が居なくなったら、俺も狂うよ。
「サトシ…クン…っ、ぐっ、あああああっ！！」
翔は叫んだ。
悲痛な叫びだが、耳障りでは無かった。
・
・
・
翔くんを急いで精神科に連れて行った。
そして、彼は隔離された。
面会も中絶されてしまった。
全てを話したら、これ以上、仕事は出来ないという決断となり、活動中止となった。
沢山の記者に囲まれたが、翔くんの為にも黙秘を貫くしかなかった。
その間、ソロでの仕事しか出来なくて、複雑な気持ちでいっぱいだった。
翔くんの心のバランスが崩壊してから、二ヵ月が経ち、ようやく、担当医から許可を貰って、面会が出来るようになった。
「翔くん、久しぶり。」
焦点が合わず、虚ろな目をして、俺の名を呟く翔くんは心あらずといった感じ。
「さと…くん。」
俺の名前を呼んでくれた事が、唯一の救いだった。
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山風無限(プロフ) - 白恋悠宇さん» 一応、もう一度、コメントを返させて頂きます。ありがとうございます。なるべく、早く続きを書くつもりなんですが、忠実に再現したり、嵐さんのメンバーの設定とかもあるので、月一かニ位のペースになりますが、宜しくお願いします。 (2016年5月27日 0時) (
レス) id: 2ea08a95cc (このIDを非表示/違反報告)
白恋悠宇 - 続き期待してます！ (2015年3月1日 17時) (レス) id: dd0cd03f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山風無限
x他1人 | 作成日時：2015年3月1日 17時
