【35】side.A ページ35
明らかに違う。
纏ってる雰囲気が…。
「翔ちゃん、君は誰なの？」
「マサキまで聞くの？ボクの答えなんて分かってるでしょ？」
クスクス笑う、翔ちゃん。
不気味で不思議な雰囲気を醸し出している。
翔ちゃんの身体を乗っ取ったもう一人の翔ちゃんは胡散臭い笑みを浮かべている。
「ボクはサクライショウ。こんなの愚問でしか無いよ。目障りなヤツが消えて満足してるんだけど、キミもサトシクンもボクを敬遠しているみたいで、正直、がっかり。失望しちゃうなぁ。」
「本来の翔ちゃんは何処に居るの？」
「アイツは消えたよ。要らない存在だから、消えざるを得なかった。それだけだよ。」
「返してよ、本来の翔ちゃんを！翔ちゃんが翔ちゃんじゃないとリーダーも嵐も機能しなくなる！俺は嵐を壊したくない！お願い、翔ちゃんに戻って！」
土下座してもいい。
翔ちゃんがいつも通りで居てくれないと嵐というガラスが割れて粉々になってしまう。
壊れたら、修復なんて、そう簡単に出来るものじゃない。
言葉では言えるけど、修復なんて…。
「やっぱり……必要とされないんだ…。何処へ行ってもボクは要らない。ショウもボクを否定する。サトシクンが求めているのは、ショウでボクじゃない。マサキもみんな……ボクは……。」
彼は涙を零して、楽屋を飛び出した。
「翔くん！」
黙ったままだったリーダーが翔ちゃんを追いかける。
「相葉ちゃん、収録は今日は中止にさせよう！そう言っておいてくれない？」
「分かった…ごめん、リーダー。」
リーダーは俺の言葉を聞いていたのか分からないが、とにかくスルーして、飛び出して行く。
やっぱり、根から翔ちゃんの事、好きなんだね。
俺は突き放した。
嵐の為という理由で…。
最初は軽い気持ちだった。
翔ちゃんに好きと言われて、嬉しかった。
でも、次第に忙しくなるにつれて、デートとか、会う機会が減って、自分の事でいっぱいだったし、嵐の波を恋愛という事で止めて、迷惑をかけるのは違うと思ったから、別れを切り出した。
『翔ちゃん、別れよう。』
翔ちゃんは懇願して来た。
『雅紀、何で…何で…。俺、雅紀が好きなのに…忙しいから？俺の何処がいけないのか言ってよ…直すから、別れるなんて嘘でも言わないでよ…。』
涙を流し、しがみついて、自分の居場所、拠り所は俺だけだという感じで…翔ちゃんはあの時から、既におかしくなっていたのかもしれない。
ごめん、翔ちゃん。
もう遅いんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 301人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山風無限(プロフ) - 白恋悠宇さん» 一応、もう一度、コメントを返させて頂きます。ありがとうございます。なるべく、早く続きを書くつもりなんですが、忠実に再現したり、嵐さんのメンバーの設定とかもあるので、月一かニ位のペースになりますが、宜しくお願いします。 (2016年5月27日 0時) (
レス) id: 2ea08a95cc (このIDを非表示/違反報告)
白恋悠宇 - 続き期待してます！ (2015年3月1日 17時) (レス) id: dd0cd03f21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：山風無限
x他1人 | 作成日時：2015年3月1日 17時
