【34】side.S ページ34
音と音が共鳴する。
そして、ぼんやりする。
俺は鐘の中に閉じ込められたみたいに反響するみんなの声に思わず、耳を塞ぐ。
俺の周りだけ光が注ぐが、周りは闇。
僅かな光だけが俺の居場所、何となく今の俺を表しているような気がして、体が震える。
『遂にみんなが嫌いかぁ、ショウ。』
「ち、違うっ！」
『塞ぎたくなったんだろ？みんなの声が不快に聞こえるようになったんだろ？サトシクンの声もか？』
「全部、違うっ！！出て来るな、お前は誰なんだっ！」
『ボク？ボクはキミが知らないサクライショウだ。キミは無知なくせに主人格を気取る。それがボクからしたら、不愉快だ。キミこそ、出て行け、ショウ。メンバーすらマトモに愛せなくなったキミはサクライショウを名乗る価値も無い。サトシクンをがっかりさせておきながら、キミはメンバーすらも失望される気？』
違う、違うっ！！
俺はそんなつもりで音を、世界を閉ざした訳じゃない。
お前が櫻井翔なら、何故、分からないんだっ！
「うゔっ！？」
俺は俺に殺される。
苦しい。
息が出来ない。
俺という心が壊されていく。
『ショウ、キミは要らない存在となった。ボクこそ、真のサクライショウだ。退け、ボクの後ろで指をくわえて見ていればいい。ボクが全てを握る。サトシクンはボクが愛す。』
「…ま、待て…待ってくれ、ショウ！！話はまだ、終わっ…あっ、ああっ！？」
底無し沼に嵌ってしまったかのように俺の足は動かない。
そして、その沼という名の闇に俺は徐々に息が出来なくなるように飲み込まれ、光を失った暗い空間に葬られていく。
同時にショウは俺の前から消えていく。
「ショ、ウ、ショウっ！待ってくれ…ショ…ウ。」
・
・
・
ボクがやっとボクになれた。
眼を開くと広がるセカイ。
一時的にボクが見ていたけど、これからはもう、ボクだけが独り占め出来るんだ。
キミはそのまま、黙って見ててよ。
眠ってても構わないよ。
でも、少しでもね、ボクに口を挟んだら、次は本当に消してあげる。
「翔くん？」
「ふふっ、久しぶり…サトシクン。」
最高の笑顔を愛しい人にあげる。
笑みが止まらないんだよ、サトシクン。
「しょ…う？」
「サトシクン、疑う意味が分からないね。ボクは正真正銘、サクライショウだよ。キミの大好きなサクライショウだ。」
キミが真に愛すべき存在は彼じゃない。
ボクだ。
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山風無限(プロフ) - 白恋悠宇さん» 一応、もう一度、コメントを返させて頂きます。ありがとうございます。なるべく、早く続きを書くつもりなんですが、忠実に再現したり、嵐さんのメンバーの設定とかもあるので、月一かニ位のペースになりますが、宜しくお願いします。 (2016年5月27日 0時) (
レス) id: 2ea08a95cc (このIDを非表示/違反報告)
白恋悠宇 - 続き期待してます！ (2015年3月1日 17時) (レス) id: dd0cd03f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山風無限
x他1人 | 作成日時：2015年3月1日 17時
