【30】side.S ページ30
不安だ。
俺の知らない俺が居る。
そして、俺は智くんに迷惑をかけている。
「ごめんね、智くん。俺は…。」
「翔くんは昔の俺が良いの？」
「えっ？」
「もう一人の翔くんが言ってたよ。今の俺より昔の俺の方が好きだって。」
否定は出来ないけど、それを素直に智くんに言っていいのだろうか？
「…そ、それは…。」
「俺は翔くんしか愛せない。翔くん以外、あり得ないんだ。翔くんを手離したくないって思うくらい、狂おしい程に愛しているんだ。それがダメなの？」
「……ダメじゃないよ。嬉しいけど…その…。」
何もかも見透かされている気がして、俺は思わず、体を震わせた。
わがままで身勝手だよね。
俺がいけないのに、智くんを怒らせているのに、それなのに、また困るせるような事を言って…こんな俺なのに智くんは愛してくれている。
最近は俺に対する罰？は少なくなった…でも、これが智くんの俺に対する愛なのかな？
愛情なのかな？
「昔の俺なんて分からないよ。もう消えてなくなっよ。変わる事がいけないの？」
「ち、違う…今の智くんも好き、好きだよ。で、でも、やり方が違う気がする！愛情を履き違えている気がするんだ……っ、ごめん。俺が素直に受け止められないから…俺が悪いから、智くんが嫌いとか、そんなんじゃないから…。」
何をフォローしても智くんは無言を貫く。
「今日は帰るね。」
「あっ、さ、智…くん。」
今の俺には、智くんの背中を黙って見ている事しか出来なかった。
・
・
・
久々に自宅に帰る。
ずっと智くんの家に居たから、俺の部屋が、他人の部屋のように思えてくる。
鏡に写る自分が妙に怖いんだ。
もう一人の俺。
俺の知らない所で何をやっているんだろう？
『ショウって何なの？』
「き、君が、もう一人の俺…？」
『本当に困るんだよねぇ。もう一人呼ばわり。それより、サトシクンが嫌いなら消えろよ。サトシクンをこれ以上、悲しませるな。』
「そ、そんなつもりじゃっ！」
『じゃあ何？愛情を履き違えている気がすると言ったのは誰？サトシクンをがっかりさせんなよ。』
「そ、それは…。」
『じゃあ、今更、マサキやジュンに色仕掛けでもして好きになってもらうか？今のサトシクンが無理なんだろ？なぁ！』
「やめろ、やめてくれ！俺はそんなつもりじゃない！智くんを嫌いとは思ってないっ！！」
『ボクはキミを信じないよ、ショウ。ショウの全てがボクに伝わるからね。』
そう告げて、消えてしまった。
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山風無限(プロフ) - 白恋悠宇さん» 一応、もう一度、コメントを返させて頂きます。ありがとうございます。なるべく、早く続きを書くつもりなんですが、忠実に再現したり、嵐さんのメンバーの設定とかもあるので、月一かニ位のペースになりますが、宜しくお願いします。 (2016年5月27日 0時) (
レス) id: 2ea08a95cc (このIDを非表示/違反報告)
白恋悠宇 - 続き期待してます！ (2015年3月1日 17時) (レス) id: dd0cd03f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山風無限
x他1人 | 作成日時：2015年3月1日 17時
