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1st night:狐ノ海賊 ページ5

あの小さなクマはしばらく照らされていると突然どこかへ消えていった。
私はふと思い出したかのように左のドアの鍵を開けて、耳をあてて左の廊下を確認する。あの青ウサギは居ない。静かだ。ドアを開けて奥を照らそうとした。
「ドウシテ部屋ニ閉ジ篭ッテルンダ?」
目と鼻の先、私の身長のニ倍はありそうな眼帯をして左手に海賊フックを付けたおぞましい狐が部屋に入ろうとしてた。
「…!?」
急いでドアを閉めようとする。すると、閉じる寸前のドアに狐はフックをかけてドアが閉まるのを阻止した。
「このッ!」
苛立ちまぎれに私はドアを引こうとする力を弱め、ドアが少し開くタイミングを狙った。そして、あまりに突然の出来事に狐のフックが離れる。計算通り狙った瞬間が訪れた。
バン!ドアを勢いよく閉じた。ドアにはフックでできた傷が横に走っている。さらに私は改めて鍵をかけた。
もつれそうな足取りでベッドへ近づいて懐中電灯の光でクマを探す。まだ来ていない。私は右側の廊下ドアのとなりの壁にもたれる。思考や計算に押しやられる頭はパンク寸前。勉強机の時計を照らす。まだ夜中の一時の後半を指している。

暗闇の自室の中、私は整わない息を続けながら小休止つけていた。でも頭の中で思考は全力で走る。誰も助けに来ない六時間を今度はどうやって乗り越える?
突然、右のドアとクローゼットがほとんど同時に木の乾いた音を鳴らした。
「!?」
苦しく息をする体に鞭を打って右側の廊下を開いたドアから覗く。懐中電灯も使って必死の探索も虚しく、誰もいない。…とするなら
「クローゼット!!」
私は懐中電灯をクローゼットに近づきながら点灯させた。クローゼットは寝る前に鍵をかけたはずなのに僅かに開かれている。私は静かにクローゼットに近づき、耳を当てる。機械人形の息遣いが聞こえた。
「!!」
クローゼットから一歩離れ、左の戸から開けて、懐中電灯で照らす。中から鋭い眼光を覗かせて私を殺す機会を狙っていたのは、海賊気取りの狐だった。
「うわっ!」
私はクローゼットの左側に滑り込み戸を勢いよく閉めようとした。
「待テ!!!」
機械音混じり昔聞いた壮年の男の声が中から聞こえる。三年前の誕生日パーティーを思い起こされる。
「もう騙されない!」
バン!完全にクローゼットの戸は閉じた。ついでにテーブルの上から鍵をを取って鍵をかけた。
「ココカラ出セ!」
同じ声がクローゼットから聞こえる。

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TG - 面白かった〜(*´ー`*) (2019年4月14日 20時) (レス) id: 00381a214e (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ヒュドールさん» はい!楽しみに待ってますねヽ(*´∀`)ノ (2017年10月15日 22時) (レス) id: 0dc233b9ac (このIDを非表示/違反報告)
ヒュドール(プロフ) - Mさん» ありがとうございます!本作品は続編も製作する予定なので楽しみにお待ちください! (2017年10月15日 20時) (レス) id: d9d83f195a (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 突然失礼します!この作品とても面白いです!更新頑張ってください!!! (2017年10月15日 19時) (レス) id: 0dc233b9ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒュドール | 作成日時:2017年9月23日 8時

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