嘘つきと恋 (ページ2)

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*you side

懐かしい夢をみた。

まだ、私と彼が付き合ってた時の夢。

何をするのも2人だと自然と笑顔になれたし、
幸せってこう言う事だって浮かれてた。

ただ、傍にいられるならそれだけで良いって本気で思ってた。

だけど、バンドが軌道に乗るに連れて、
徐々に会えない不満と、会えても数時間だけが当たり前になっていった。

多忙の中、会ってくれてるだけでも感謝しないと...

なんて、良い子で居ようと自分に言い聞かせたりもしたけど、
心のモヤモヤは晴れる所か、次第に大きくなっていった。

【なかなか連絡出来なくてごめん、今日会えたりしないかな？】

...会いたい。

連絡が来た時は酷く安心するし、嬉しかった。

だけど、だけどね？

私だって何もしてない訳じゃないよ？

仕事だってあるし、彼程では無いにしてもそれなりに疲れは溜まるし、

友達との予定だってあるし、いつでも時間作れる訳じゃないよ？

でも、合わせるなら私が合わせるしかない。

頭の中でそう理解してても...

ああ、

もう駄目だ。

そう思った時には彼に会った時に言ってしまっていた。

「私達、別れよう」

涼しい冷房の効いた薄暗い喫茶店で、
注文していたドリンクの中の氷が静かに音を立てていた。