紫の一匹狼 (ページ13)

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side：宮近

ダンスを踊る上で俺らが重視するのは自分たち
だけじゃなく、お客さんが楽しんでいるか。

今目の前にいるお客さんは楽しそうに見ている影で
どこか遠くを見つめている。

「…相変わらずかっこいいなぁ、7人はさ」

思ったより声が響いたのか、慌てて楽しかった！と笑う。

その姿をみて少し胸が締め付けられる感覚がした。

みんなは気づいてるか否か、周りをわっと取り囲み
個人個人の感想を聞いている。

合ってるかわかんないよ？と立ち上がるAは
この中の1人であるように。

そして、この7人よりも物にしているように
踊ってみせる。

中「2人とも似てるよね」

『…何が？笑』

中「なんか心ここに在らず、っていうの？そんな感じ」

海人は昔からちょいちょい見透かしているようなことを
急に現れては言い逃げする。

…そんなにわかりやすいかなぁ、俺。

「宮近さんっ」

『いい加減やめくれない？その呼び方笑』

「やだ、結構気に入ってるもん」

『…あそこ、戻んなくていいの？』

「人に囲まれるの苦手なの知ってるくせに」

『SixTONESの圧の方がすごいと思うけど』

「それは…確かに？笑」