第40話 ページ40
『にーちゃっ！』
ﾝﾀﾞﾎ「シルクー！」
『しうく！』
ｼﾙｸ「………」
ﾝﾀﾞﾎ「うぅん…こりゃ末期ですなぁ」
『にちゃ、たいの？』
ﾝﾀﾞﾎ「違うよ、それは大丈夫」
Aを親に引き渡す報告をメンバー全員にした頃、シルクは分かりやすくショックを受けてから立ち直れていないようで、上の空な時間が増えた。
ボーッと編集をしている間は誰の声も届かないらしく、メンバーがAの相手や世話をしているのだが、Aの話では二人きりの時も時々声が届いていないらしい。
ﾓﾄｷ「シルク、ちょっと休憩しな。俺と話しよう」
ｼﾙｸ「編集中」
ﾓﾄｷ「今日のは出せるから大丈夫でしょ、はい、ちょっとパソコン閉じる」
ｼﾙｸ「何？」
モトキに無理矢理パソコンを閉じられ、マサイがミルクティーを目の前に置いた。
最近のシルクの行動には自覚がないらしい。
あれだけ名前を呼んでいたンダホとAに気付く事も無く、二人がコンビニへ出掛けている事も知らない。
ﾓﾄｷ「ショックなのは分かるけど、ちょっと行動に出過ぎじゃない？」
ｼﾙｸ「何が？俺が？」
ﾓﾄｷ「ほら、自覚もない。Aも心配してるよ、また体調崩したんじゃないかって」
ｼﾙｸ「…」
ﾏｻｲ「二歳児にまで気を遣わせるなら休みな、シルク」
ｼﾙｸ「休みはしない。ちゃんと俺だって考えてる。最後に何がやれるのかって」
兄として、保護者として、疎かにしてきてしまった事や、Aが望んでいる事を最後に。
ﾏｻｲ「空回りしてんなら意味無くね？」
ﾓﾄｷ「今更独りでやろうなんて考えてんじゃないよね？」
ｼﾙｸ「それは…ないけど」
ﾏｻｲ「あったな」
ﾓﾄｷ「うん、顔に書いてある」
ｼﾙｸ「ねぇよ！今更自分が独りなんて考えても無い！」
ﾓﾄｷ「じゃあ、大人しく明日の撮影はお嬢との動画にするべき。はい、決定。解散」
ｼﾙｸ「オイ！」
ﾏｻｲ「今しか撮れない動画もある」
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作者名：憐
| 作成日時：2018年7月13日 4時
