第27話 ページ27
ｼﾙｸ「ただいまー」
『まー！』
翌日、Aを連れ実家に帰ってきたシルク。
父親と母親は不在らしく、兄だけが家に居た。
「おぉ、おかえり」
ｼﾙｸ「ただいま」
「今日チビ達も来るらしいわ」
ｼﾙｸ「マジ？何で？」
「お前が帰ってくるって言ったら一緒に遊びたいから来るってよ」
その言葉に嬉しくなりつい頬が緩む。
小学生の従兄弟とは学校だったり、自分が動画だったりで時間が合わず会う頻度は昔より減っていた。
Aとも正月に親族で集まった以来久しく会っていないだろうし、丁度良い遊び相手だ。
ｼﾙｸ「じゃあちょっと編集終わらすわ、A頼んでいい？」
「おう、程々に」
ｼﾙｸ「ん。Aー、おいでー」
『なーにー！？』
ｼﾙｸ「兄ちゃん今からお仕事だからこっちの兄ちゃんと遊んでて」
『えぇ…おちごと？』
ｼﾙｸ「ちょっとだけ。ごめんな？」
何時もなら素直に返事をしてくれるのだが、今日は中々「うん」と言ってくれない。
それもそのはずで、家を出る前に一緒に沢山遊ぶと約束していた。
シルクは編集が終わったらという意味だったが、Aにとっての沢山とは一日中遊ぶということだ。
そんな二人を見ていた兄は小さく溜め息を吐いた。
「それ他の誰かに任せらんないの？」
ｼﾙｸ「絶対無理って事は無いけど」
「お前がやり通す決まりじゃないなら誰かに任せろよ」
ｼﾙｸ「うーん…」
「偶には仲間に甘えるのも軍団の仲を深める事に必要だと思うぞ」
兄は「それに」と続けAとシルクの頭を交互に撫でた。
「今日は休む為に来たんだから家族優先。Aに嫌われんぞ」
ムスッと頬を膨らますAと目が合う。
休む為に実家に来たのには間違いない。
夜になれば従兄弟達の相手でまた思う存分構ってやれないかもしれない。
ｼﾙｸ「よし、今日はもうパソコン触らん。A、遊ぶか」
『うんっ！』
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作者名：憐
| 作成日時：2018年7月13日 4時
