今日からうちの子 (ページ22)

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第22話ページ22

『やー！にちゃー！』

ｼﾙｸ「嫌じゃねーの！遅れるから！」

『やーあーっ！！』

ﾏｻｲ「やっぱ俺お嬢と留守番してようか」

ｼﾙｸ「今日は大事な会議だからそうもいかん」

ﾏｻｲ「でもマジで遅れちゃうよ」

本日は、Fischer'sが所属する事務所が開催するイベントの会議の日。
他のYouTuber達と合同で行い、マサイとシルク、ンダホとモトキも参加するのだが、Aが駄々を捏ねて玄関で泣き喚いていた。
マンションの下に既にンダホ号が到着していて、早く行かなければいけないのだが全く言う事を聞いてくれない。

ｼﾙｸ「もー、A、マジで頼む。一緒に行こ」

『や！』

ｼﾙｸ「何で？お仕事終わったらジュース買うから」

『やーっ！』

ｼﾙｸ「あ！こら！」

靴を脱ぎ捨ててリビングへ走っていった。
シルクも段々イライラしてきているようで、乱暴に頭を掻いた。

ﾏｻｲ「シルク、イライラして当たっちゃ駄目。行っといで、俺は良いよ」

ｼﾙｸ「…悪ィ。すぐ帰るから」

ﾏｻｲ「気にすんな」

協力すると言ったのは自分達だ。
育児と動画でシルクが前より疲れているのも知ってる。
同様にAも、両親が居ない、自分達が忙しい事を理解してストレスが溜まっているのも知ってる。

部屋の端に丸まって泣いているAに静かに寄り添った。

ﾏｻｲ「お嬢、マサイとお留守番しよう」

『…や、』

ﾏｻｲ「どうして？お絵描きしないの？」

『ない』

ﾏｻｲ「Aはシルクが嫌い？」

即答で拒否をしていたAの動きが止まった。
嫌いだなんて、言えるわけが無い。
何かを考えているかと思えば、先程より大きな声でまた泣き出した。

『にちゃぁーっ』

ﾏｻｲ「おいで」

マサイが腕を広げると飛び込んで来る小さな体。
彼女はただ甘えたかっただけだった。