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第33話 ページ33

頬の冷たさで目を覚ましたシルクは、重い体をゆっくり起こした。
自分の不調を理解したのち、隣にAが居ない事に気付く。
枕元には溶けたアイスと携帯電話、A用のおもちゃ箱の蓋が開いておもちゃが散乱していた。
壁で体を支えながら、名前を呼び探すも返事は無く玄関に土台が置いてあるのを発見し、駆け寄った。
何時も履いていく靴も無く、ドアの鍵が開いている。



シルク「…まじで……?」



血相を変え寝室に戻り携帯を手にする。
とりあえず先に、家が近いマサイに電話を掛け、次にモトキ、ぺけたんと、直ぐに起きてくれそうなメンバーにAが出て行ったことを伝える。
体の怠さで余り思うように動けない所にマサイが到着。
後は自分達で探すから、お前は寝ていろと一喝された。



マサイ「良いな、絶対家から出るな。帰ってくるかもしれないし」


シルク「…でも、」


マサイ「病人は黙って寝てろ、探すのは俺達に任せて」



あんなに頼もしい表情のマサイはとても珍しく、何も言葉が出なかった。
寝てろと言われても素直に寝れるはずもなく、ベランダからAが帰ってくるのを待った。
こんな早朝に何故一人で外へ出て行ってしまったのだろう。

そこでふと枕元に置かれていた溶けたアイスを思い出す。



シルク「あ…俺の所為…?」



先に起きたAが、熱のあるシルクに気付いてメンバーの誰かを呼ぼうとしたのかも。
マサイの家なら何度も行っているし、小さいAでも行けるような近場。
考えれば考える程罪悪感と不安が増して、体調の悪さも相まってその場にしゃがみ込んでしまった。




シルク「A…」

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作者名: | 作成日時:2018年7月13日 4時

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