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第31話 ページ31

シルク「あ〜…しんど…」


撮影が終わり、クリエイター達とご飯に行きやっと帰宅したシルクとA。
Aはシルクに抱かれながら夢の中へ入っており、疲労からかフラフラとした足取りで寝室へAを寝かせた。
これから編集作業に入ろうとパソコンを開くも、あまりの体の怠さに作業は全く進まなかった。



シルク「寝たら治んだろ、先に風呂入ろう…」



入浴を済ませ、布団に潜ると直ぐに眠りについた。
夢を見る暇もない程深い眠りの様だ。

早朝4時、ぐっすりと眠っていたAは先に起床。
隣を見ればシルクはまだまだ熟睡中のようで、寝惚けたまま立ち上がり、シルクの布団の中に無理矢理侵入し、抱き締めた。



『う?』



抱き着くと体が暖かい事に気付く。
顔を見上げると眉間に皺を寄せて呼吸も浅い。
子供ながらにシルクの異変に気付いたAは、起こそうとシルクの唇を掴んだり、頬を叩いたりしてみるも、喉を傷付けるような咳をするだけ。
布団から抜け出したAはリビングに移動し、シルクの携帯を持って再び寝室に戻って来た。



『にちゃ、ましゃ、でんわ』



自分には何も出来ないからマサイに電話しろ、と言う意味だが、起きないシルクには届かず苦しそうな姿を見る事しか出来ない。
再び頬に触れると先程より熱くなっていて、今度はキッチンへ走り、冷凍庫の引き出しを開けお風呂上がり用にとっていたアイスを取り出してシルクの頬に当てる。



『おちて』



全く起きず。
アイスを当てた事で苦しそうな表情は多少和らいだが、まだまだ浅い呼吸をする。
そんなシルクの頭を撫でて、Aは決心したように立ち上がり、おもちゃ箱からお出掛け時に首から掛ける鞄を取り出した。



『にちゃ、ねんねよぉ』



洗面所の土台を玄関に運び、ドアの鍵を開ける。
お気に入りの靴を履いて、重たい大きなドアを開き、外へ走っていった。

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作者名: | 作成日時:2018年7月13日 4時

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