今日からうちの子 (ページ25)

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第25話ページ25

公園から離れた歩道で、カメラを回しながら歩く二人の姿。
一人は外側へ跳ねた男性にしては長めの髪型、もう一人はマッシュルームとまではいかないがある程度纏まった短髪。
談笑しながら数メートル先の公園から走り出てきた少女に気付きふと足を止めた。

「うわ、子供が飛び出してきた。危ねぇな」

「親どうしたんだろ」

「ママさん会議中じゃねーの？」

兎に角、一人で飛び出してきた少女に戻るように声を掛けようと追い掛けていたら、走っていた足が縺れべちん、と転けた。
直ぐに体勢を立て直して固まったと思いきや痛かったのか声を上げて泣き始めた。
一部始終を見た二人はカメラを回していた事も忘れて駆け寄る。

「あーあー、言わんこっちゃ無い」

「うわ、擦り剥いてる」

「バディさんとか絆創膏持ってないかな」

「ロケバス大分向こうだよ、とりあえず公園戻してあげようよ」

「なぁ、君、ママは？」

『ぐすっ、ない』

「ない」と簡潔に言われ顔を見合わせる二人。
親とは居なかったと言うことなのかと、泣き止む気配の無い少女を外ハネの男性が抱き上げた。

『やー！ましゃー！』

「「ましゃ？」」

「ましゃって何？人？」

「とりあえず嫌がられてんのは分かるわ」

抱き上げる事で泣き声の大きさが増し、為す術が無く困り果てていると公園の方からこちらへ走ってくる男性の姿を捉えた。

ﾏｻｲ「A！」

「ん？あ！」

ﾏｻｲ「あぁ！？トミーとカンタ！」

ﾄﾐｰ「ましゃってお前か！」

トミーからAを預かり落ち着かせるように背中を優しく叩いた。
次第に涙も収まり、しゃくりを上げながら安堵したようにマサイの肩に顔を埋める。

ﾏｻｲ「マジで良かった…マジで焦った…」

ﾄﾐｰ「しっかり見とけよ」

ﾏｻｲ「二人居なかったらやばかった、ありがとう」

ｶﾝﾀ「この子が噂のお嬢ね、動画で観たわ」

ﾄﾐｰ「あ、今から事務所戻るけどお前らも来る？シルクまだ居ると思うよ」

ロケバスに救急箱もあると言うし、Aを探しに出ていたぺけたんも呼び戻し言葉に甘えて二人が乗ってきたロケバスに乗り事務所へ。
水溜りボンドのバディさんにしっかり消毒をして怪我の処置をされたAはマサイに抱かれ眠りについた。