puddle fish...【カンタ】

▽８ｰ堕ちてる ページ9

【カンタside】



　









｢……カンタさん！｣


　









コンビニを出てしばらくたったとき



名前を呼ばれた。





振り返ると、俺の好きな人



Aちゃんが立っていた。




　





｢え、な、なんで｣



　



正直驚きしかなかった。



　




Aちゃんは、緊張しているのか


えっと、えっと、とモジモジしている。




　



なにそれ、かわいい。




　




なんて、目の前で恥ずかしがってる君をみて


そんなことを思っていると





　






｢ぁの、その、み、水溜りボンド！｣




｢へ？｣




　



　


突然、ほんとに突然、



予想もしていない言葉が君から出てきて



へ？なんて間抜けな声がでた。







　


水溜りボンドって、、知ってるの…？




　


　






｢この前、シルクとマサイくんに


教えてもらって見ました！｣





｢あぁ、ありがとうございます｣





｢毎日、見てて、元気もらってます！



編集とかすごく大変だと思います。



体に気を付けて頑張ってください！｣




　



　



長々とすいません…と頭を下げる。




毎日、見てくれてるんだ…と思うと編集とか



頑張ろう。って思ったけど



なによりも、嬉しかったのは元気をもらってる



そういわれたこと。




　



好きな子に言われたから尚更。





　



　





｢ありがとうございます。


名前、覚えててくれてるんですね。｣




｢あ、動画みてじゃなくてあのぶつかった日


カンタって呼ばれたので…｣






　

　



ぶつかった日のこと覚えてるの俺だけだと思ってた。




　

俺にはものすごく嬉しいハプニングだったから。





　



　



｢…………Aさん｣



｢…え？｣



　









俺だって君の名前知ってるんだよ。



実は、君のことが好きなんだよ。





　


そう言えたら、少しはかっこよかった？





だけど、言えるはずなくて



そんな思いも込めて君の名前を呼ぶ。





　




なんで知ってるの…？



そんな目で俺を見つめるから



それが、可愛くて、面白くて




つい、笑ってしまった。




　



　


どんな顔でも、仕草でも


可愛いって


愛しいって



そう、思うのは君にどっぷりと堕ちてる証拠。




　


　



しばらく、俺たちの間に沈黙があった。



この時間がずっと続けばいいのに…



そう、思ったけどそれは叶わなくて



先に沈黙を破ったのはAちゃんだった



　

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