puddle fish...【カンタ】

▽７ｰなぜか ページ8

　








｢今度の休み遊ぼうぜ｣


その約束を果たすのが今日で

いつもの二人とシルクの家で遊ぶことになった。




　





手ぶらじゃなんだからなにか買っていこうと


コンビニによった。




　







｢なに買おう…｣




　









シルクとマサイくんだし、変なものでも


喜ぶよね…？




　





なんて、勝手な解釈で


とりあえず自分が飲む分のイチゴ・オレを


かごに入れようとしたとき



見覚えのある人がコンビニを出ていった。





　




　




｢カンタ…さん…？｣



　



　






私はなぜか追いかけなきゃいけない。



そう思って、買うはずだったイチゴ・オレを



商品棚に戻して、かごをもとの場所に置いて



コンビニを急いででた。





　



まだ、彼は近くにいて名前を呼べば



気づいてくれる距離。




　



　



シルクやマサイくんの前では



何度も呼んだことはあるし、心のどこかで



無意識に呼んでいる名前。






　


　

だけど、直接あなた相手に呼ぶのは初めてで




緊張して、声が裏返りそうになるのをおさえて



　

精一杯の大声で




　









｢……カンタさん！｣





　


　









　

そう、名前を呼べばゆっくりと振り返る




　



　



なんでって思ったかな。




　




あの日ぶつかっただけの人に




　



いきなり、名前を呼ばれて。





　




まず、なんで名前知ってるの



　




ってなるかな？






　





　






｢え、な、なんで｣




　








　

カンタさんは戸惑っている。




　



ああ、やっぱり。






　



　



少し悲しくなった。







　




なんで悲しくなったかはわからない







　





今、あなたに伝えたいことは沢山。










　



なんで伝えたいのかはわからない









　





あなたの顔を見るたびにドキン。って




胸がおかしくなるの。









　




なんでだろう。









　


沢山伝えたいことはあるけど




緊張してなかなか、言えないから






　



　


｢ぁの、｣









　





ゆっくりだけど、許してください。





　

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