▽25ｰ決意のワンタッチ!! ページ26
その日から一ヶ月。
｢動画どうでしたか？｣とか
｢今度はこんなのやろうかなって｣とか
少しだけど毎日それきっかけで
連絡はとるようになったけど
この一ヶ月、姿は１度も見なかった。
｢はぁ……。｣
｢なに？｣
私の大きなため息に昼御飯を
口に詰め込みながらシルクが訊いてくる。
今日は何となく一人で家にいるのが嫌で
シルクの家に押し掛けてきた。
でも、来てからずっと机に突っ伏して
ため息を吐いている。
｢どうしよう…｣
｢素直に言えば？｣
断られることはないと思うよと付け足す。
私の手にはスマホがいてさっきからずっと
カンタさんとのトーク画面を開いている。
｢迷惑じゃないかな…？｣
｢むしろ喜ぶだろ｣
｢ほんとに？｣
｢うん｣
軽々しいシルクの返事を聞いて
決意をするように文字を打つ。
――会えませんか。
そこに書いただけで
満足してしまっている自分。
シルクは食べ終わったのか
口のものをお茶で流し込む。
ゴクン。と音をたてて
口のものを飲み込んだシルクの指が
LINEの送信ボタンを押す。
スッと送られてトーク画面に
『会えませんか。』の文字
｢ワンターッチ！！｣
何が起こったのか理解できなかったけど
シルクの満足そうな声を聞いて
ようやく理解した。
｢ぅ、ゎ、わぁぁぁぁあ！！｣
｢うるせぇなぁ、なんだよ｣
｢なんだよ、じゃないよ！なにしてんの！｣
｢お前がグズグズしてるからだろ？｣
｢心の準備ってものが…｣
｢あー、はいはい｣
話を流すように返事したシルクを
軽くぺしっと叩いて
暗くなった画面をつけてトークを開く。
既読はついてないけど確かに送ってしまっていて。
はぁ…なんてため息をつくけど
心が軽くなった気がする。
――あぁ、シルクのおかげか
強引だけど背中を押してくれたのは
紛れもない事実だから少しだけ感謝して
悩んで全く手がつかなかった昼御飯を
一口、口に運んだ。
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海月(プロフ) - 《ロシアの狐猫》みもうねこさん» コメントありがとうございます！行間ですね。気持ちとか行動、発言で行間は変えてるんですけど…もう少し短くしてみますね！ (2016年9月8日 18時) (
レス) id: 1f021aa7d4 (このIDを非表示/違反報告)
《ロシアの狐猫》みもうねこ(プロフ) - 面白いです！カンタ可愛い(笑)更新頑張って下さいね！あ、あと、行と行の間の行間が結構長いので、もう少し短くしたほうが読みやすいかもです( *・ω・)ノ (2016年9月8日 17時) (レス) id: c34ebd21c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海月 | 作成日時：2016年9月5日 22時
