▽20ｰ理由と話 ページ21
そこまで水族館に人がいなくて
水槽の前も全く混んでなかったから
一つ一つじっくりと見ることができた。
｢この子かわいい｣
｢…かわいいですね｣
｢へ？｣
｢驚きすぎ(笑)｣
とても近い距離でカンタさんの声がしたので
ビックリして間抜けな声が出た。
肩を並べて水槽を見る
カンタさんも水槽に手をついて魚を目で追っている
どうしよう、あんなに話せてたのに、
全く話せなくなっておろおろしていると
カンタさんが口を開いた
｢Aさん｣
｢は、い｣
｢なんで今日水族館に来たか知ってますか？｣
｢え？｣
カンタさんに聞かれたそれは
あまりにも難しくて考えてうーんと唸ってると
カンタさんの優しい笑い声が聞こえた
｢なんで笑うんですか｣
｢いや、そんな真剣に考えるんだーって思って｣
｢でも、わかりません｣
｢くだらないことなんですけどね？｣
そう言ってすごく楽しそうに
笑顔で私の顔を見て教えてくれた
｢水溜りと魚だから(笑)｣
｢えぇ？それだけですか？｣
｢それだけなんです。
トミーとシルクが二人で考えたらしいんですけど｣
そう言ってカンタさんはまた水槽に目線を戻す
私も目の前をゆらゆら泳ぐ魚をみる。
水族館に来た意味がそんなことだったんだ
そう思うと、何だか笑えてきて
それを教えてくれたカンタさんも面白くて。
何より、二人だけでこんなに笑って
楽しく会話できたことが嬉しくて
カンタさんとならどんな話題でも
楽しくて幸せなんだなって思った。
そしたら、自分から話しかけることは
全く苦じゃなくなった。
｢カンタさん｣
｢はい？｣
｢楽しいですか？｣
きょとんとしたと思ったら
少し驚いたような顔になって
でも、ふわり。笑って
｢すごく楽しいですよ
Aさんと話すことも｣
そう言われたから
恥ずかしくって嬉しくって
目線を水槽に戻したまま
｢私も楽しいです｣って返すことが
精一杯だった。
｢おい！イルカショーやるって！！｣
とシルクが言ってて
シルクも楽しんでるなーと思って嬉しかった。
｢Aさん、行きましょ｣
｢はい！｣
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海月(プロフ) - 《ロシアの狐猫》みもうねこさん» コメントありがとうございます！行間ですね。気持ちとか行動、発言で行間は変えてるんですけど…もう少し短くしてみますね！ (2016年9月8日 18時) (
レス) id: 1f021aa7d4 (このIDを非表示/違反報告)
《ロシアの狐猫》みもうねこ(プロフ) - 面白いです！カンタ可愛い(笑)更新頑張って下さいね！あ、あと、行と行の間の行間が結構長いので、もう少し短くしたほうが読みやすいかもです( *・ω・)ノ (2016年9月8日 17時) (レス) id: c34ebd21c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海月 | 作成日時：2016年9月5日 22時
