puddle fish...【カンタ】

▽19ｰ気づかれていた恋心 ページ20

　







｢Aちゃん水族館好き？｣



｢はい！大好きです｣



｢なんか、水族館！って感じしますよ｣



｢どういう感じですかー！｣



｢あー、わかるわ｣



｢わかるわかる｣



｢シルクとマサイくんまで！？｣





　





　







シルクとマサイくん、トミーさんのおかげか



カンタさんともなんの問題もなく



沢山話せるようになった。






　







｢おし！ついたぞー！｣



｢きたー！！｣




　








シルクの言葉にテンションが上がって


隣に座っていたカンタさんにフフっと笑われる





　




車から降りて水族館の入り口まで


また、５人で駄弁る。



　




駄弁って歩いていたら


入り口までもすぐで受け付けもすんで


水族館独特の暗闇と青色の光の中へ。



　





｢わぁ！｣







　



その空間はいつ来てもやっぱりきれいで。



テンションも上がる。




　





｢ぅぉ、でっけーな…｣


｢あいつすげー｣





　




シルクとマサイくんも嬉しそうに



水槽の中をゆらゆら泳ぐ魚を指差す




　


カンタさんはどうかな…？



　




無意識に気になってしまって



ずっと、見てしまう。




　







｢……、｣




　








ごくり。息をのむ。









水槽の青い光に照らせれて



トミーさんと話ながら優しく笑う



カンタさんの横顔に息がつまる





　





ｶｼｬ…






｢へ？｣



｢この写真、現像してあげる｣




　






シャッター音の正体はマサイくんのカメラ。



あのカンタさんを写真に撮っていた。







　



｢別に、、いらないよ｣







そう言って次の水槽に向かおうとした。







｢嘘つき(笑)｣





　

マサイくんのその言葉が足を止める





　
｢好きなんでしょ？｣



｢え？｣









　

そう言って私の元まできて


カメラの画面を見せる








そこに写っているのはあの、カンタさんで



その綺麗さとマサイくんのカメラのうまさに



また、息をのむ





　






｢カンタが好きなんでしょ？｣








　



いつからばれてたの。



いつから知ってるの。




　






　


｢Aほんとに分かりやすいから｣








　




そう言って次の水槽に向かっていった。








……なんだそれ。



分かりやすくないし！！








　



マサイくんのあとを追う。








　





｢あの写真、頂戴ね｣



｢はいはい(笑)｣





　

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