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〜マサイside〜


シルク「…お前、髪濡れたまんまじゃん。」


風呂を上がったAは、虚ろな目をしていた。


髪もまだ乾かしておらず、少し赤みを帯びた首元に目が行ってしまう。


無意識でやっているのか、髪をかきあげる仕草にドキッとしてしまい、俺は逃げるように洗面所へ。


そこからドライヤーを持ってきた。


「A、」


自分の膝をトントンと叩いてみせる。


Aは意外と嫌がることなく、小さく頷いて、俺の前に背を向けて座る。


俺はAの髪を乾かし始めた。


…すごい綺麗だな。


長く、ツヤのある黒髪に、指を通す度に心臓が大きく音を立てる。


シャンプーの香りが、更に俺を追い込んで苦しめる。


Aは辛いというのに、俺がこんな疚しい感情を持っていけない。


が、気を抜くと、そんな考えとは反対に体が熱くなっていくような気がした。


俺はそれを強制的に止めようと、咄嗟にさっき調べていたことを思い出す。


…えーっと……あぁ、そうだ。


病んでいる人は、目が虚ろで、表情が乏しく、清潔感がなくなってしまうらしい。


全て、今のAに当てはまる。


…早く、元のAに戻ってほしい。


と言っても、俺はまだ本当のAを見たことがない。


…そりゃあ、AがAであることに変わりはないってことは、よく分かってるんだけど。


「はい、乾いたよ。」


最後に優しく頭を撫でる。


貴「…ありがとう。」


そう言ったAは、すぐに俺から離れてしまった。


少し物足りなさを感じてしまったが、まあ…今日は仕方がないだろう。


Aはしばらくの間、一言も喋らずに俯いていた。


「もう寝る?」と聞いてみても、首を横に振って「眠くない。」と小さく答えるだけ。


色々考えてしまって眠たくならないのか、と心配になる。


話があるのならいくらでも聞くし、嫌なことは全て吐き出してくれて構わない。


とにかく、少しでも気持ちを楽にしてやりたいんだ。


ふと、Aが顔を上げる。


大きく息を吐き出すと同時に、小さく口を動かした。


その口の動きから読み取った短い言葉を頭に浮かべる。


それは、「嫌い」だなんて、酷く冷たい言葉だった。

 

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ミク - 完結おめでとうございます!続編作ってほしいw (3月10日 19時) (レス) id: bb4ef08cd2 (このIDを非表示/違反報告)
もちきなこ - キノコさん» ありがとうございます! (12月3日 17時) (レス) id: 0ae4718a03 (このIDを非表示/違反報告)
キノコ(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです! (12月2日 21時) (レス) id: a195972a5a (このIDを非表示/違反報告)
とびじゃす# - だほちゃん可愛い!ゲーセンで一発とかかっこよすぎ^ ^ (11月29日 21時) (レス) id: 37865621fd (このIDを非表示/違反報告)
もちきなこ - 友美さん» ありがとうございます! (11月24日 17時) (レス) id: 0ae4718a03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちきなこ | 作成日時:2018年10月10日 9時

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