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〜モトキside〜
用事のあるメンバーはAのために、時間ギリギリまでいてくれた。
そいつらを、Aと見送ると、すぐに日も落ち始め、俺は小さく欠伸をする。
シルク「…あ〜、腹減った…」
パソコンを閉じて、伸びをしながらシルクがそう溢す。
時計を見ると、ちょうど夕飯時だった。
「俺夕飯作るよ。」
シルク「サンキュ。」
マサイに「キッチン借りるね。」と声をかけ、俺は何かあるかと、冷蔵庫の中を確認。
…うん。まぁ、これだけあれば大丈夫だろう。
貴「…手伝うよ。」
「えっ、」
声がした方を見ると、Aが立っていた。
手伝ってくれるのはすごく嬉しいが、苦しいはずなのに、と申し訳なく思い、俺は優しく「大丈夫だよ。」と言う。
しかし、Aは「やらせて。」と小さく言った。
貴「…何かしてないと……ダメになりそうだから…」
表情は暗いが、どこか力強く、そう言いながら手を洗うAを見て、胸が苦しくなる。
この子なりに頑張ってるんだ、って、闘ってるんだ、って。
貴「…モトキ、何作るの?」
「あっ、それじゃあ…」
“モトキ”という呼び方に、少し辛いような、悲しいような、何とも言えない感情が出てきてしまったのを隠して、Aの隣に立った。
「A、めっちゃ上手いじゃん。」
慣れた手付きで野菜を切るA。
貴「ありがと。モトキも料理得意なんだね。」
フライパンで炒め物をする俺に、そう言った。
少しAの声が明るくなったように聴こえて、嬉しくなる。
「ありがとーwあ、シルクとザカオは全くだからやらせちゃダメだよw」
そう言ったのが聞こえたのか、向こうから「やんねーよw」とシルクの声が飛んできた。
貴「でも、誰かに作るのって、楽しいね。」
そうAは小さく笑って見せる。
その、すぐに消えてしまいそうな笑顔が消える前に、俺も笑い返す。
Aと作った夕飯を皆で食べている間は…その時はAの表情も良かった。
それを見ていて、俺は油断してしまった。
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ゆーみん - めっちゃ良かった!!!!!!!! (2021年8月7日 5時) (レス) id: 4658dd46fd (このIDを非表示/違反報告)
もとぱちゃんりょ - ←名前変えました。かれんです!久々に来たら完結してた!お疲れ様でした。 (2019年10月17日 16時) (レス) id: 96b6382269 (このIDを非表示/違反報告)
あるみ - わぁ・・・!めっちゃいいお話ですね・・・!!ありがとうございました(*^^*) (2019年9月14日 17時) (レス) id: d943871739 (このIDを非表示/違反報告)
ミク - 完結おめでとうございます!続編作ってほしいw (2019年3月10日 19時) (レス) id: bb4ef08cd2 (このIDを非表示/違反報告)
もちきなこ - キノコさん» ありがとうございます! (2018年12月3日 17時) (レス) id: 0ae4718a03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちきなこ | 作成日時:2018年10月10日 9時