不思議な力と魚達【Fischer's】

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いや…確かにこの色は危ないし、心配してくれるのも嬉しい。


だけどさあ…急に泊まりに来いって…


私も一応女なんだけど…


一つため息をついて、流れていく景色に目を向ける。


ｼﾙｸ「なぁ、A、」


シルクが助手席から私の方を向く。


「んー…」


私は景色からシルクへ目を移した。


ｼﾙｸ「それって夜の12時？だっけ、変わるの。」


「うん。」


ｼﾙｸ「じゃあ、それまで寝れねえな。ダホ、分かったか？」


と、運転席のダホちゃんに声をかける。


ﾝﾀﾞﾎ「うん、もっきゅんにも言っておくね。」


「え、いや、別に皆は寝ても…」


ｼﾙｸ「ダメ。…俺もそれよく分かってないけどさ、夜中が一番危ないんだろ？」


「うん、まあ…」


…その通り。


色んな意味で危ない。


どっちかというと私はそのことじゃなくて、他のことで危険を感じている。


…あれ、これ、“フラグ”ってやつ？…………よし、へし折ったから多分大丈夫。


…こんな茶番はおいといて、


「マサイごめんね、急に泊まるとか…」


ﾏｻｲ「いや、俺らがそう言い出したんだし、いいよ。」


でも、迷惑だよなぁ…と、暗い考えが頭に浮かぶ。


少しずつ、ネガティブ思考になっていくのに気付き、咄嗟に頭を横に振った。


ﾏｻｲ「A…？」


「大丈夫、何でもないよ。」


これもいつまで続くか…


あれが出来れば、こんなこと必要ないし、皆にも迷惑かけずに済んだのにな…


練習も何もしなかったことに少し後悔して、無意識のうちにまた外に目を向けていた。

　

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