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side_Kyomoto
それから、落ち着いた北斗を見て、医者たちが
病室から出て行った。
その頃にはもう、樹もこーちも駆けつけていて、
6人が久しぶりに同じ空間に揃った。
若干涙目の樹と慎太郎をなだめるこーちと、
まだ興奮気味のジェシー、そしてその様子を
和やかな顔で見つめる北斗。
｢…ごめん、心配かけて…｣
まだたくさんの管につながれていて、喋ることも
しんどそうな北斗は、ゆっくりとそう言った。
そしてその言葉に全員が首を横に振った。
｢元はと言えば俺が悪いんだ…ごめん｣
｢あれは事故だよ。誰も悪くない｣
｢そーだよ。北斗も無事だったんだし…ほら、
暗い空気やめようぜ｣
こーちの優しさに、慎太郎の明るさに俺の心は
幾分か救われた。
俺の顔が緩むと、北斗はそっと俺の手を
握ってきた。
そして、俺の方を見て、ゆっくり目を細めて
笑った。
｢よかった、大我…生きてる｣
まるで、俺が生きていることを確認するように、
北斗は握った手で俺の指をさする。
あぁ…俺、生きててよかったんだ。
またこうして、北斗に触れられてよかったんだ。
あの時、舌を噛み切って死んでたら…この時を
迎えられていなかったと思うと、すごく怖い。
俺は自分が生きていると伝えるために北斗の手を
握り返した。
｢…俺ら、お邪魔かな?｣
｢しばらくふたりにさせてやるか｣
空気を読んだ樹とこーちは、ジェシーと慎太郎を
連れて病室から出て行こうとした。
｢待って｣
俺が咄嗟に止めると、みんながこちらを振り返る。
俺は樹とジェシーを交互に見た。
｢樹、ジェシー…ありがとう｣
少し照れながらお礼を言うと、ふたりはフッと
笑って何も言わずに病室を後にした。
そうやって、俺の気持ちを静かに受け止めてくれる
ふたりに、今はもう感謝の気持ちしかない。
｢…どうしたの?｣
｢いや、なんでもない｣
舌を噛み切ったなんて言ったら、北斗に余計な
心配をかけてしまう。
だから俺は言わないことにした。
もう過ぎたことだし、こんな状態の北斗に負担を
かけたくない。
｢北斗、せめて具合が良くなるまでは…
俺に甘えてね｣
｢…うん｣
北斗は、はにかみながら頷くと、静かに目を
閉じた。
俺は北斗の長いまつ毛にそっとキスをして、
北斗の寝顔を目に焼きつけるように眺めた。
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コロ - もう、、、好きです( ；∀；) (2020年6月6日 19時) (
レス) id: 813d843498 (このIDを非表示/違反報告)
ジャス民茉莉花.@ナナイロノマホウ 。*(プロフ) - 多文、失礼致しました...！新作も読ませて頂いております！更新、ゆっくりで宜しいので楽しみに待っております♪ (2019年6月6日 17時) (レス) id: 41f8bed30c (このIDを非表示/違反報告)
ジャス民茉莉花.@ナナイロノマホウ 。*(プロフ) - きょもほくは、私の知るカップルの中で一番“美しい”カップルだと思っております。無痛症、患われてる方は本当に大変な思いをされていますよね...。あまり馴染みのない病かもしれませんが、症状等知る事が出来て良かったです。 (2019年6月6日 17時) (レス) id: 41f8bed30c (このIDを非表示/違反報告)
ジャス民茉莉花.@ナナイロノマホウ 。*(プロフ) - さいかさんらしい、丁寧で知的な文章に引き込まれる様に読み進めていたら、いつの間にか終わりにまで到達していてビックリしました笑 本当に面白い作品ってそういう事多いんですよね...。 (2019年6月6日 17時) (レス) id: 41f8bed30c (このIDを非表示/違反報告)
ジャス民茉莉花.@ナナイロノマホウ 。*(プロフ) - 初めまして！このお話読ませて頂きましたが、めちゃくちゃ面白かったです...！さいかさんの作品大好きで、オススメに出てきてたまたま開いた作品がまさかのさいかさんのデビュー作だったと知った時は...。衝撃的でした笑 (2019年6月6日 17時) (レス) id: 41f8bed30c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2019年2月3日 23時
