ウツボくんが喰べたい子

▽二十二匹 ページ23

寮のベッドで寝ているフロイドを見つけたAは隣に座って、
フロイドの背を背もたれにして足を組む。
フロイドに布団をかけながら呟く。



『あのね、聞いて。
フロイドを狙ってる人達沢山いるんだよ。
僕がいるからって近づいてこないだけ。

僕はね。すっごい独占欲強いから...そんな人達フロイドみたいに言ったら絞めちゃいたいの。
フロイドは僕の。僕はフロイドの。
そうでしょ？だから...』









.









『いるんだろ。出てこいよ。』


「ひっ、」
小さい悲鳴が聞こえた後にすぅとユニーク魔法が解けたのか1人の生徒が出てくる。

『何してんの？なんでいるの？
ここ僕の部屋、フロイドと2人の。
部屋なんだけど。なんでいるの。』

「っ、それは...ッ俺はヒョウモンダコだ！！
お前なんか、すぐにひねりあげて締めてやる！
1年のお前じゃなくて、入学した時から一緒の俺を見てくれるフロイドと一緒に居れる！！」

恐怖で俯いたのか、Aが押し黙ったかと思うと


『っくふっ...くっ、ふふっ、ふはっ、あはハッ、
あ、ハハハハハハハハハハハハ..！！』

笑い出す。
びくっと驚くヒョウモンダコの彼は
「な、何がおかしいんだよ！」


『くふふっ、あはっごめんね...だって君...すっごく馬鹿なんだもん。』

笑いをこらえるように、顔をゆらぁっとあげる。
太陽に雲がかかったのか雨が降りそうなのか、部屋が薄暗くなる。

『...あのさぁ...フロイドがハタちゃんって呼んでるからなのか分からないけどさぁ...？









.









僕はサメだよ？

君は捕食対象だけど...大丈夫...？』

にこりと笑って立ち上がり、胸ぐらを掴む。





『噛み殺されたくなかったら失せろ。』






声にならない声を上げ走って出ていってしまった。

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